日本のIT基盤の脆弱性があらわになっていると感じようになります。JAXA 宇宙航空研究開発機構がサイバー攻撃を受け、機密指定を含む情報が外部に流出した可能性があることが発覚しました。JR東日本もサイバー攻撃を受け、「モバイルSuica」でのチャージがしにくくなるなどの障害がありました。「ニコニコ動画」も同様です。ランサムウェアに感染、サービス停止に追い込まれました。ありとあらゆるところに攻撃が仕掛けられています。もはや「サイバー危機」といわれる事態のようです。
生成AIによって容易に新しいウイルスを生み出せるようになり、サイバー犯罪が「楽に稼げる商売」になりつつあるといいます。
サイバー犯罪組織はもはや企業、生成AI進化で楽に稼げるビジネスに | 日経クロステック(xTECH)
月収30万円。週休2日。「今月の従業員」に表彰されると追加賞与を支給――。(出所:日経クロステック)
ロシアなど旧ソビエト連邦地域に拠点を置く大規模組織「Conti」の勤務体系はもう一般企業並といいます。組織化も進み、350人が働き、身代金回収などで得る年間収益は110億円に達するそうです。この「Conti」の主な“事業”は、ランサムウエアの開発や展開で、脆弱性のあるサーバーにウイルスを仕掛け、標的企業から情報を盗み、盗んだ情報を人質に、身代金を要求するというモデルになっているそうです。標的分野は小売りや保険、製造、病院など幅広いといいます。
こうした犯罪組織の実態は複雑で、一般企業とかなり似ている。マネジャーの管理下で、開発部門や人事部門、営業部門まで備える。開発部門ではランサムウエアを製造(プログラミング)し、人事部門は従業員の業務を管理、営業部門は恐喝や身代金の回収を担う。(出所:日経クロステック)
英国のエンジニアリング企業は、偽のテレビ会議にだまされ、2億香港ドル(約40億円)の詐欺被害に遭ったといいます。本物そっくりの社内会議がAIによって設定され、参加した経理担当社員は指示されるがまま、詐欺グループの管理口座に大金を振り込んでしまったといいます。
会議相手はフェイク動画、40億円被害が示す詐欺AIの進化 - 日本経済新聞
かつては英語圏が狙われやすかったといわれますが、今後は日本企業が標的になる頻度が増える見通しといいます。日本語という安全性が生成AIによって打ち破られる可能性があるようです。
拡大するサイバー被害、狙われる日本
現代の戦場は、兵器を使った物理的な攻撃による戦場だけでなく、サイバー攻撃も繰り広げられ、「ハイブリッド戦」の様相を呈しているといいます。それはウクライナを見れば明らかことといます。偵察活動などはもはや戦場だけではなく、インターネットの世界においても日常茶飯事に行われるようになっているようです。
サイバー防御人材確保、国がキャリアプラン示せ 大沢氏 - 日本経済新聞
ロシアや中国が日本にサイバー攻撃を仕掛けていると指摘する専門家もいます。対象は、交通機関、金融、重要インフラ、SNSプラットフォームなどで、日本社会の耐性や影響を分析しているといいます。
高まるサイバーセキュリティの必要性
米国の通信大手「シスコシステムズ」がサイバーセキュリティーで、日本政府や企業との連携を深めていくそうです。
「世界中で直面するサイバーセキュリティーの課題と、日本で起きていることは全く違いはない。特に日米関係を考えれば、当社がセキュリティーの構築やサイバー防御を支援することは非常に重要だ」と、来日にしたシスコのチャック・ロビンスCEOが述べたそうです。
新たな拠点を東京に設け、政府のサイバー対策などへの助言も行えるアドバイザーを置き、日本企業の対策強化を支援する専門チームを常駐させる方針を明らかにしたといいます。
政府では、サイバー攻撃を受ける前に対抗措置をとる「能動的サイバー防御」の導入に向けての検討が始まろうとしているそうです。
論語に学ぶ
詩を誦(しょう)すること三百、之に授くるに政を以てして達せず、四方に使いして、専対(せんたい)する能(あた)わざれば、多しと雖(いえど)も亦(また)奚(なに)を以て為さんや、と。(「子路第十三」5)
詩を三百篇も暗誦するほど知識が多くあるものの、内政を担当しても達成することが無く、外交を担当しても相手と渡り合うことができなくては、多くを暗誦しているとしても、それでは取るに足らないと孔子はいいました。
先進国、経済大国を自負する日本ですが、内実様々なことにおいて、もはや世界から大きく遅れていそうです。デジタルの遅れは致命的な状況なのかもしれません。
裏金事件を端にして自民党の意識が明るみになったのではないでしょうか。おカネを隠さなければならなかった事情はあのかもしれませんが、デジタルを好まない姿勢がはっきりしたのでしょう。現金を議員会館の引き出しの中に保管したりするケースもありました。確かにこれが一番安全確実なのかもしれません。しかし、こんなことではいつまで経ってもサイバー世界の安全性を向上させようとの野心を抱かないのかもしれません。
近隣諸国のサイバー戦略を称えるものではないですが、しかし日本も別な意味でももっともっとずる賢くなっていかなければならないのでしょう。個人の懐具合ばかりに頭を使って散漫になって、大事なことを見過ごしていそうです。これではとうてい渡り合えることはなく、ますます国民を危険にさらすようなものなのかもしれません。
「参考文書」
JAXAに複数回サイバー攻撃、23〜24年 機密情報流出か - 日本経済新聞
【感染爆発】デンソー、森永も餌食。「サイバー被害」拡大のなぜ
米通信大手シスコシステムズCEO“サイバーセキュリティー 日本政府や企業との連携強化”へ | NHK | サイバー攻撃
シスコ、日本のナショナルセキュリティとデジタルレジリエンスの強化に向けCoEを開設 - 日本経済新聞
