米半導体メーカー エヌビディアが直近3カ月の業績を発表しました。データセンターで使われるAI向けの半導体の需要が急増したことで業績が伸び、市場予想を上回ったといいます。また、市場予想を上回る強気な売上高見通しを示し、AIコンピューティング投資が引き続き堅調なことを示唆、株価が米株式市場時間外取引で急伸しているそうです。デル・テクノロジーズなどAI関連企業の株価も連れ高となったといいます。
エヌビディア株急伸、好調な売上高見通しがAIブームの強さ示唆 - Bloomberg
ジェンスン・フアン最高経営責任者(CEO)は新時代の幕開けだと言及して興奮をあおった。同CEOはインタビューで「新しい産業革命の始まりだ」と述べ、「本当にエキサイティングだ」と語った。 (出所:ブルームバーグ)
大手クラウドコンピューティング・プロバイダー以外にも販路を拡大したい考えを強調し、AIが消費者向けインターネット企業や自動車メーカー、バイオテクノロジー、ヘルスケア関連の顧客に普及しつつあると指摘したそうです。
熱狂、狂騒といっていいほどのAIブームのようです。日本もこのブームを上手に活用、創造性を発揮して新たな飛躍の機会にできればいいのでしょう。
大阪・関西万博
「いのち輝く未来社会をデザイン」をテーマにする大阪・関西万博。「未来社会の実験場」、「人類共通の課題解決に向け、先端技術など世界の英知を集め、新たなアイデアを創造・発信する場に」などの言葉が並びます。このAIブームを凌駕するような卓越した先見性、創造性などを発揮、AI敗戦、AI後進国だけは避けたいものです。
大阪万博「関連費」に約13兆円 便乗の広域開発「理解できない」:日経ビジネス電子版
人類は、利己を優先するあまり、時として、自然環境をかく乱し、さらには同じ人類の他の集団の犠牲の上に、不均衡な社会を作り上げてきてしまったのも事実である。そして今、生命科学やデジタル技術の急速な発達にともない、いのちへの向き合い方や社会のかたちそのものが大きく変わりつつある。(引用:大阪・関西万博公式ページ)
一方で、日本政府館建設などを含めた会場建設費、万博関連費用は総額約13兆円に及ぶそうです。これに対し、万博の経済効果を経済産業省は約2兆9000億円と試算しているといいます。便乗の広域開発に「理解できない」と声を上げる専門家もいます。
夢がありながら実現できそうな近未来の社会を指し示してくれるのでしょうか。それが、米国主導のAIブームに負けず、日本の次の成長へとつながれば、金額以上の経済効果となるのでしょう。膨大な費用を費やすだけの単なる大型土木工事で終わらないいことを祈るだけです。
リニア中央新幹線
夢の超電導技術によって時速500キロで走行し、東京―大阪間を約1時間で結ぶリニア中央新幹線の開発計画が進められています。総事業費は9兆円を超えるそうです。民間主導の事業といわれていたそうですが、一大国家プロジェクトとして位置づけられるようになり、企業の開発利益と国土開発の効率性が最優先された「国策民営」の計画になってきたといいます。
リニアで幸せになるのは誰なのか 財政学、地域経済学の観点から 静岡大教授・川瀬憲子【時事時評】:時事ドットコム
リニア開発の構想は高度経済成長期にさかのぼる。1962年から鉄道技術研究所が始めていたが、97年からは山梨県の18.7キロ実験線での走行実験が開始された。90年代に5兆円と見積もられていた事業費は、2007年時点で9兆円にも膨らんだ。(出所:時事ドットコム)
駅周辺整備や市内からリニア新駅までのアクセスは地元負担となるそうです。そればかりでなく、通常折半で整備される駅前広場も地元負担になるといいます。
なかなか社会実装されることのない夢の技術。湯水のようにおカネが長期間投入され、底なし沼に吸収されていくかのようです。
論語に学ぶ
子張(しちょう)曰わく、士は危うきを見ては命を致(いた)し、得(とく)を見ては義を思い、祭りには敬を思い、喪(そう)には哀(あい)を思う。其れ可なるのみ。(「子張第十九」1)
弟子の子張が「できる人物は、国家が危急のときは生命を投げ出してあたり、利益を得るときは正当かどうかを判断し、祖先などの祭祀のときは敬(つつし)を尽くし、喪儀のときには、哀しみをこめる。こうあってこそだ」といいました。
政治改革
自民党の石破茂元幹事長が政治資金規正法の改正に言及し、企業・団体献金の禁止を巡って、「公的資金、税金に頼ることになると政党の活動に権力の介入は必ず出てくるはずだ」と否定的な見解を示したそうです。
石破氏「政党活動に権力介入が出る」 企業献金禁止なら - 日本経済新聞
「社会の活動の単位である以上、どの会社も公益は意識しながらやっている」と述べ、「献金を全部禁止するのはおかしい」と語ったそうです。
主張が100%間違っているとは言えないのでしょうが、しかし、そうであるにも関わらず、社会がこうも停滞するのはなぜなのかと考えてしまいます。もしかして「公益」、公共の利益という定義が世間一般とは異なるのかもしれません。
「得を見ては義を思い」、利益を得るときは正当かどうかを判断する、しかし「義」正当という意味が異なっているから裏金事件みたいなおかしなことが起こり、その対策も曖昧なものになるのかもしれません。
人類は、利己を優先するあまり、時として、自然環境をかく乱し、さらには同じ人類の他の集団の犠牲の上に、不均衡な社会を作り上げてきてしまったのも事実である。そして今、生命科学やデジタル技術の急速な発達にともない、いのちへの向き合い方や社会のかたちそのものが大きく変わりつつある。(引用:大阪・関西万博公式ページ)
大阪・関西万博もよくいったものです。「政府自民党は、利己を優先するあまり、時として、自然環境をかく乱し、さらには同じ人類の他の集団の犠牲の上に、不均衡な社会を作り上げてきてしまったのも事実である」と読めてしまいます。そればかりでなく、デジタル敗戦という結果も作り出したのではないでしょうか。
良き社会にしていくために、世間とともに「義」正当を作っていく、政治が求められていそうです。
「参考文書」
維新・馬場代表、政権との「部分連合」言及 自公過半数割れなら | 毎日新聞
自分の人生を生きる ソクラテス、アドラー、フロムに学ぶ「勇気」 【その2】人類を信頼して、声を上げる勇気を - Executive Foresight Online:日立