「論語を現代に活かす」 時代を超えて読まれた名著

未来はすべて次なる世代のためにある

追い込まれるビッグモータ、準備遅れる大阪・関西万博では信じがたい奥の手

 ビッグモータの問題が次々と明らかになり、国が調査に入る事態になりました。店頭の街路樹が枯れたり、無断伐採されていたような痕跡があり、こちらも調査が始まっているようです。

 美観を保ったり、意識向上のための店頭での清掃行為が、ムダな仕事となったり、迷惑行為になっては本末転倒というしかありません。自らの問題だったと一部においては認めたようです。仔細は調査結果を待たねばならないのでしょうが、前社長の長男で前副社長の影響といわれています。

 

 

 この他にも文書改ざんの問題もあると指摘されています。国においても文書改ざんや捏造問題がたびたび起きています。民間においても同種の問題が生じるのは何か因果があrりそうな気もします。

 国はこうした問題をいつも有耶無耶にしてきましたが、民間企業は厳罰に処されることになるのでしょうか。これで規律を保つことができるのでしょうか。

論語に学ぶ

 哀公 社を宰我(さいが)に問う。宰我対えて曰わく、夏后氏は松(しょう)を以てし、殷人は柏(はく)を以てし、周人は栗(りつ)を以てす、と。曰わく、民を使(し)て戦栗せしむ、と。成事(せいじ)は説かず。遂事(すいじ)は諫めず。既往は咎めず、と。(「八佾第三」21)

 魯国の君主 哀公が宰我に社について質問しました。宰我が「夏王朝では松、殷王朝では柏、現周王朝では栗を用います」と答えます。さらに宰我は「栗は慄に通じますので人民に畏怖させ戦慄せしめるためです」と述べます。後でこの話をお聞きになった孔子は哀公への応待について「できたことはしかたがない。すんだことは注意しない。過去は咎めない」と三度もいったといいます。

「松」「柏(日本と異なる)」は常緑樹、緑が一定し「節操」があることを表すといいます。

dsupplying.hatenadiary.jp

 宰我孔子の弟子で、言語に宰我がありといわれるほど、口才があったといわれます。宰我は喩えをもって国の実情を君主に率直に伝えたのでしょうか。

 当時の魯国と今の日本がだぶります。国がそうであるように、民間企業もまた民を戦慄せしめて統治しようしているのですから。

 

 

万博の準備遅れ問題

 大阪・関西万博のパビリオン建設の遅れを受け、主催する万博協会が、時間外労働の上限規制を建設業界に適用しないよう政府に要請したそうです。24年春から建設業に導入される時間外労働の上限規制「24年問題」への対応が不可欠と判断したといいます。

万博工事の残業上限規制、協会と政府が協議 加速化実現は不透明 | 毎日新聞

 規制の適用外となれば、深刻化する人手不足の緩和につながり、工事を加速化できるそうです。

万博協会自身が22年、万博関連の物品やサービスの調達にあたり、「違法な長時間労働をさせてはならない」との基準を採用している。ある大手ゼネコン担当者も「社会課題の解決を目指す万博の会場整備を時代に逆行する方法で進めるのはどうか」と語り、建設業界内部にも突貫工事を疑問視する声がある。(出所:毎日新聞

 酷い話です。法規制をないがしろにするような行為が許されてはならないはずです。これでは社会においても何でもありになってしまうのではないでしょうか。こうした国家事業における杜撰な計画が、無意識のうちに悪い習慣を生み出すことになっていくのかもしれません。

 

「参考文書」

営業部長の罵声に負けた設計課長 | 日経クロステック(xTECH)

大阪万博の工事、残業規制適用外に 作業遅れ協会側要請 - 日本経済新聞