「論語を現代に活かす」 時代を超えて読まれた名著

未来はすべて次なる世代のためにある

【成事は説かず。遂事は諫めず。既往は咎めず】東京オリンピック マラソンは札幌へ 瀬古利彦さんの決断  Vol.64

   

 哀公 社を宰我(さいが)に問う。宰我対えて曰わく、夏后氏は松(しょう)を以てし、殷人は柏(はく)を以てし、周人は栗(りつ)を以てす、と。曰わく、民を使(し)て戦栗せしむ、と。成事(せいじ)は説かず。遂事(すいじ)は諫めず。既往は咎めず、と。(「八佾第三」21)

  

(意味)

「魯君の哀公が宰我に社について質問をなされた。宰我がお答え申し上げた。「夏王朝では松、殷王朝では柏、現周王朝では栗を用います」と。宰我はついでこう述べた。「栗は慄に通じますので人民に畏怖させ戦慄せしめるためです」と。後でこの話をお聞きになった孔子は哀公への応待について「できたことはしかたがない。すんだことは注意しない。過去は咎めない」と三度もおっしゃった。」論語 加地伸行

 

「社」は土地の神

「柏」は日本では落葉する柏であるが、中国では常緑樹のヒノキなどのことをさすという。「松柏」というと、緑が一定し節操があることを表すという。

 

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「哀公」、魯の国の君主、前494年から前467年まで在位。孔子58歳のときに君主になったといわれる。「哀」は若しく亡くなった時の諡(おくりな)。

 

宰我」、姓は宰、名は予、字名が子我。孔子の弟子で、礼の専門家といわれる。能弁家だったともいわれる。 

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 東京オリンピックのマラソン会場が札幌に変更となった。IOCの危惧も理解するが、準備をしてきた人々にとっては、まさに「青天の霹靂」であったことであろう。

 

 日本陸連ラソン強化戦略プロジェクトリーダーの瀬古利彦さんが、

IOCという力の前では、われわれではどうにもできない」と語ったそうだ。

 

『成事は説かず。遂事は諫めず。既往は咎めず』

 

 瀬古さんの心中はそんなとこなのだろうか。

 

MGCも暑さ対策した選手たちがしっかりと勝ち残ってくれて、彼らが本当に札幌でやるんだという気持ちにさせるのが僕らなので、札幌! 札幌! 札幌!  きょうは札幌ラーメンを食べに行きます」と話ったそうだ。(参考:FNN Prime)

 

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 (参考文献)  

論語 増補版 (講談社学術文庫)

論語 増補版 (講談社学術文庫)