ミスを防ごうとして、システムを改善してアラーム機能を導入しても、それを使う人が熟知せずに正しく運用できなければ、いつまでも改善されず、それが重大な事故となって露見する。羽田空港での事故はそんなことが理由になるのでしょうか。
最終的には運輸安全委員会の調査結果を待たなければならないのでしょうが、管制システム上には海保機が滑走路上にいることを警告していた可能性があるといいます。
羽田、管制画面に注意喚起機能 進入機検知し表示点滅 | 共同通信
過去にあった航空機が滑走路に誤進入する事案が受け、「滑走路占有監視支援機能」の整備を進められ、羽田空港では4本の滑走路全てで11年3月までに運用を始めたといいます。事故原因はケアレスミスだったということなのでしょうか。
問題が生じてはシステムを改修して対策する、そんなことが繰り返され、気づけばシステムは違うものになっていき、それに合わせて人も教育を受けなければ、正しく運用されることはないのでしょう。こうした問題に気づくのもまた問題があってからということなのでしょうか。改善を続けたところで完璧はありえず、問題がなくなることはなさそうです。
本格的に動き出した救援活動
能登半島地震の救援活動がようやく本格的になってきたのでしょうか。孤立が徐々に解消され、ボランティア活動を含め炊き出しも始まったようです。少し時間がかかり過ぎたのはではないかと感じます。
自衛隊の投入遅いとの批判に反論 被災地、展開規模巡り首相 | 共同通信
政治家となると、どんな場合においても、どうしても言い訳を先にしなければならないようです。こんなことで次の災害に活かされることはあるのでしょうか。守るべきは国民の命であり、生活であるはずです。こんな政治はもうやめて頂きたいものです。
政府の初動対応をレビュー、検証した方がよいのでしょう。ぜひ手順などマニュアルを点検し、改善してもらいたいものです。また政府防災訓練も見直す必要がありそうです。JAL客室乗務員を見倣い、危機時にあって機敏に行動できるよう徹底的に訓練すべきなのでしょう。どんなに優れたシステムもそれを動かすの人なのですから。
論語に学ぶ
訟えを聴くは、吾猶人のごとし。必ずや訟え無から使(し)めんか。(「顔淵第十二」13)
訴えを処理する能力は、私は他人と同じだ。訴えが無いようにするという点か、と孔子は言いました。
裏金問題の渦中にある自民党において新年仕事始めが開かれ、首相が「国民の信頼を回復し、政治の安定を確保し、重要政策を進めていかなければならない」と述べたそうです。
岸田首相、自民党仕事始めで「国民の信頼回復し、重要政策進める」 - 産経ニュース
これに対し、茂木幹事長は、「政治刷新本部を中心に、運用面、制度面にわたる改革案を早急に取りまとめ、実行する。信頼回復に努めていきたい」と語ったそうです。
国民が注目する中、信頼回復につながるような再発防止策の構築、そして改革を断行できるのでしょうか。幹部たちの発言は相変わらずで、機転が働いていないようです。自分たちの利益をまた優先し、抜け道を残すようなことになれば、信頼回復などとうてい無理なことです。それをわかっているのでしょうか。
「参考文書」
『コモンズのガバナンス 人びとの協働と制度の進化 (原題)GOVERNING THE COMMONS』エリノア・オストロム著(晃洋書房) 4180円 : 読売新聞