「論語を現代に活かす」 時代を超えて読まれた名著

未来はすべて次なる世代のためにある

増加する一方のカスハラ、横行するダークパターン、不誠実になっていく社会

「迷惑客」の宿泊拒否を可能にする改正旅館業法が12月から施行されるそうです。従業員に理不尽な要求をするカスハラ(カスタマーハラスメント)対策の一環のようです。

 民間の調査でカスハラを直近1年間に受けた人は64.5%に上るとの調査結果がまとまったそうです。土下座強要や長時間の居座り、執拗な言動、威圧的な言動などを経験した人もいたといいます。

「カスハラ」経験64.5% 民間調査、土下座強要も | 共同通信

「従業員を守るための法的根拠」ごく稀な悪質行為のために、ルールや規制が強化されていきます。

 

 

 特殊詐欺など犯罪が横行するようになり犯罪防止のため、銀行窓口での対応も変わっています。

 年老いて歩行困難な母の代理で手続きにいくと、あの書類が足りないとかいわれます。前回と同じ書類を用意していてもルールが変わったといわれ拒絶されます。事情を説明しても、ルールだからと言われ、疑われているのかなとも感じたりします。銀行側の意図も理解できますが、全体からみればごく少数の犯罪抑止のために今まで普通だったことが変わり、2度手間3度手間を求められ非効率さが増し、ついつい愚痴も出るし、ぼやきも言いたくなります。悪意はないのですが、行員さんはカスハラと感じるかもと思いつつも....

 次々とルールやマナーが変わっていきます。それに対処していくのもたいへんなことです。

ダークパターン

 ネット上で、消費者を不利益な選択に誘導する「ダークパターン」が横行しているといいます。意図しない商品を購入させられるなどの被害も起きているそうです。

アプリの9割に「ダークパターン」、消費者を欺く画面デザイン…国内の規制は遅れる : 読売新聞

 東工大の調べでは、ショッピングやゲーム、音楽などの人気アプリ計200個の内、93.5%で「ダークパターン」が使われ、63.5%で3種類以上の手法が用いられていたといいます。

 欧米では規制する動きが広がっているそうですが、国内の対応は遅れているといいます。「ダークパターンは不誠実な取引方法で規制の検討が必要」と専門家も指摘しています。

消費者を意図しない方向へ誘導するウェブサイトの“ダークパターン” 注意すべき実例「商品がこっそりカートに」「誤タップを誘う画像」など | マネーポストWEB

 ビジネスにおける基本中の基本である信用が軽んじられるようになっていそうです。不誠実さが常態化するようになれば、信用崩壊がますます進んでしまいます。悪意から身を守るために、客も従業員どちらもみなが疑いの目を持たなければならなることは残念なことです。

ただ規制を強化すればよいというものでもないのでしょう。必ず抜け穴を探すような人はいるものです。それでは、いたちごっこに陥ります。誠実さがないと社会がどんどんすさんでいきそうです。

 

 

論語に学ぶ

人にして不仁ならば、礼を如何せん。人にして不仁ならば、楽を如何せん。(「八佾第三」3)

  人間としてだめであるならば、その人が学問だの、文化だの、と言っても始まらないと意味します。

dsupplying.hatenadiary.jp

「仁」、人間愛を指す言葉で、ヒューマニティといってもいいのかもしれません。

仁に欠けるような人物が「礼」ルールや規範を作れるはずもないのに、そんな人物ばかりになってしまえば無礼な社会に近づいていくのかもしれません。そんな社会には「楽しい」とも何もなくなっていくのではないでしょうか。

 

 

「黄金律」、内容が深遠で、人生にとってこの上なく有益で普遍的な教訓があります。欧米では「他人から自分にしてもらいたいと思うような行為を人に対してせよ」と肯定形で説かれ、東洋では「己れの欲せざるところを人に施すことなかれ」と否定形での教えになっています。これらは、ゴールデンルールとも呼ばれる倫理学的言明です。

 こうしたもっとも大切なことを忘れてしまった結果が、今日のような不誠実さが蔓延する社会なのかもしれません。

 

 

「参考文書」

栃木:「迷惑客」拒否従業員守る・改正旅館業法来月施行・判断難しく運用に懸念も :地域ニュース : 読売新聞