「論語を現代に活かす」 時代を超えて読まれた名著

未来はすべて次なる世代のためにある

円安、株高、それでも止まりそうにない日本の国力低下

 日経平均株価が上昇し、歴史的な水準に近づいていく一方で、円安が定着しつつあるようです。足元ではエネルギーの国際価格の下落もあって昨年ほどに「悪い円安」との表現はされていないようですが、円安が国力の低下を示しているのではないかとの専門家の意見があります。

英エコノミスト誌、日本経済は高齢化で「頭脳停止」がすでに始まり、少子化対策も「政府は無力」と結論 | Business Insider Japan

 記事は、日本から外貨が流出する原因を分析し、英経済誌エコノミスト特集記事を引用し、「しつこい円安の要因も(外貨流出増という需給の変化から考えて)やはり少子高齢化に行き着く」といいます。興味ある内容です。

 

 

 国も改革と口にし様々な政策を実施しますが、思うように効果があがっていないようです。変わりゆく環境に対応できていない、本質的には変わることができていないというところでしょうか。

論語に学ぶ

富 求む可(べ)くんば、執鞭(しつべん)の士と雖(いえど)も、吾も亦(また)之を為さん。如(も)し求む可からずんば、吾が好む所に従わん。(「述而第七」11)

 富が求める値打ちを持っているなら、通行者の整理のような仕事であろうと、私はそれをしよう。しかし、それによって特段儲かるような仕事でないのならば、自分の好きな道に没頭して暮らしたいと意味します。

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 渋沢栄一はこの章を「正当な方法で富が得られないのであれば、いつまでも富に恋々としていることはない。気に入らないことをして富みを手にするより、むしろ貧賤に甘んじてまっとうな生き方をした方が良い」と解説し、「まっとうな生き方によって得られるならば、どんな仕事についても金儲けせよ。しかし、まっとうではない手段をとるくらいなら、むしろ貧賤でいなさい」との意味といいます。

 

 

 新説を作り出し、サプライズな施策で効果を得ることがあっても、長続きせずに持続的なものとはならない。その新説もまっとうなことではないから、本質的なところでは何も変わらない。そんなことが繰り返されるから、変わる時代に適合できずのままなのかもしれません。

 少子化を含め国力が低下していく根っこのような気がします。それが数字に現れたのが外貨流出であり、それゆえの円安なのでしょうか。

仕事とは競争の中で独自の価値をつくり、稼げる商売をつくることであり、経営を評価する際の最上の尺度は長期利益です。客をだます、従業員を泣かす、社会に迷惑をかける――刹那的には儲けることができても、これでは持ちません。長く儲かり続けるためにはどうしたらいいかを考え、製品やサービスをつくる。製品やサービスの評価は競争市場で決まります。(出所:日立グループ

 一党支配が長く続くと素直に失敗を認めることもできなくなるのでしょうか。目先を変えただけの同じ様な政策がだらだらと続いているようです。

 もうそろそろまっとうな方法を選択すべきがやってきているような気がします。真の変革、改革が求められていそうです。

 

「参考文書」

もう1ドル100円には戻らない? 円安に透ける国力低下 - 日本経済新聞

コラム:円安は「行き過ぎ」か 実質金利差から読む介入の可能性=尾河眞樹氏 | ロイター

長期エンゲージメント株主の意義と役割―その1 規律の源泉。 - Executive Foresight Online:日立