貿易赤字の額の大きさに驚愕です。2022年の貿易収支は19兆9713億円の赤字と過去最大になったそうです。赤字基調は今後も続くとみられ、「国富流出」懸念が高まるといいます。
貿易赤字、最大19.9兆円 「国富流出」懸念も―22年:時事ドットコム
円安に資源高、それに外貨も稼げないのだからどうにならないのでしょう。これが、現在の日本のありのままの姿なのでしょうか。
社会には不正がはびこり、街では凶悪事件や悲惨なできごとが続いています。
「社員着服のつけ」下請けに 楽天モバイルが契約解除で経営危機 | 毎日新聞
なぜこんなに治安が良くない方へといってしまうのでしょうか。
勢いが増しそうな物価高
昨年12月の全国消費者物価指数(生鮮食品を除くコアCPI)が前年同月比で4.0%上昇したそうです。41年ぶりの4%台到達といいます。
貿易赤字の原因でもある原材料高や円安の影響で、食料品などで価格転嫁が進んでいることに加え、電気代などエネルギー関連も上昇にしたことによるそうです。
全国消費者物価41年ぶり4%台、食料とエネルギー押し上げ-12月 - Bloomberg
黒田日銀総裁は先日の記者会見で「2%の安定的・持続的達成が見通せる状況にない」としましたが、うそぶいているだけではないでしょうか。
対話する姿勢を示して欲しいものです。
一方で、賃上げ期待は膨らみますが、期待通りに進むのでしょうか。
足元の物価上昇の影響で企業の経営環境は厳しさが増している。帝国データバンクによれば、物価高が原因の倒産が昨年12月に48件と単月での最多を更新した。年間では320件と前年比2.3倍に急増したという。原材料などの仕入価格の上昇や、取引先からの値下げ圧力などで価格転嫁ができなかっためで、業種別では運輸業や運輸・通信業が目立った。今後も「物価高倒産」は増加傾向で推移するとみている。(出所:ブルームバーグ)
国民負担
他方、政府はこんなご時勢に国民負担を求める姿勢を強めていないでしょうか。
もっともらしいことをいっているようで、実はもっともなことではないのでしょう。やって当たり前のことを「異次元の少子化対策」などのような表現すること自体、それを如実にあらわしているのでしょう。関心を得て、不評をかわそうとする下心が見え見えです。
防衛財源確保、「国債60年償還」延長論も 自民が本格議論: 日本経済新聞
その政府は借金まみれで、その上浪費癖を直すことができないようです。
償還期間を延長・廃止しても、浮いた国債費を防衛費に使えば借金は膨らむ。借金返済の担保が消えれば、市場の信認を失う恐れもある。(出所:日本経済新聞)
お金がないのなら、基本中の基本である「入るを量りて出ずるを為す」に徹し、歳出削減するのが常套手段です。お金は効率的に使うものです。
すべてものごとが悪い方向にいくことがわかるような気がします。どの施策も密接に関係し、期待する効果よりも、逆に弊害の方が顕在化しているのでしょう。この悪い連鎖を断ち切らなければ、どうにもならないのでしょう。知恵がないとしか言い様がありません。
論語に学ぶ
哀公問うて曰わく、何を為せば則ち民服せん、と。孔子対(こた)えて曰わく、直きを挙げて諸を枉(まが)れるに錯(お)けば、則ち民服す。枉れるを挙げて諸を直きに錯けば、則ち民服せず、と。(「為政第二」19)
魯の国の君主哀公が「どのようにすれば、人民は心服するであろうか」と問うと、孔子は「真っ直ぐな人物を登用して曲がった連中の上に据え置きますれば、民は心服いたします。その逆では、心服いたしませぬ」と答えました。
この問答の時代背景は、各地で農民が反乱していた時期だといいます。年若く無力な哀公はそれにおびえていたそうです。
「直」、ここでは正しい人間を意味し、「枉」、真直ぐでない、不正な者と解釈するといいます。
現在の選ばれた人は、「直」なのか、それとも「枉」なのか。選ぶ方が何が「直」で、何が「枉」を知らなければ、どうにもならないということでもあるのでしょう。
首相とそれを選んだ政権与党はどちらなのでしょうか。