「論語を現代に活かす」 時代を超えて読まれた名著

未来はすべて次なる世代のためにある

中国でも感染拡大、気になるオリンピック、サプライチェーンの再混乱

 

 また新型コロナの感染が拡大しています。あっという間の急拡大、オミクロン株の影響なのでしょうか。

 ゼロコロナ政策を布く、おとなりの中国でも感染が拡大しているようです。北京の隣町、政府直轄都市の天津市でオミクロン株の市中感染が確認され、来月開催される北京オリンピックへの影響も懸念されているようです。

 オリンピック前ということもあり、感染拡大を阻止するため、都市封鎖、ロックダウンなどの措置強化がされるとの見方があるようです。こうした措置によって、再び供給網、サプライチェーンが混乱するのではないかと危惧する声も上がっているようです。

 

 

 ウォールストリートジャーナルによれば、中部の西安、南部のテクノロジー拠点・深圳といった複数の都市では12月下旬以降、厳しいコロナ対策が導入されたといいます。また、コンテナ取扱量で世界第三位の寧波・舟山港では、周辺地域で二十数件の新規感染が確認されたことを受けて、トラック輸送や倉庫作業に制限が課され、さらにサプライチェーンの目詰まりが悪化する恐れがあるそうです。

世界の供給網に緊張走る、中国オミクロン株市中感染で制限強化必要に - Bloomberg

 ブルームバーグは、中国などアジア全体でオミクロン株感染が急増すれば、今年はサプライチェーンの「とてつもないつまずき」を招く恐れがあるといいます。また、アジアでまだオミクロン株の大規模な波は見られていないため、最悪の影響が出てくるのはこれからとの警告があるといっています。

 また、物価にも悪影響を及ぼす事態になってしまうのでしょうか。

論語の教え

「子の慎む所は斎、戦、疾なり」と、「述而第七」12にあります。

 孔子は平生、斎(ものいみ)、戦(いくさ)、疾(やまい)の三つに対しては大事を取り、斎では意を誠にし、容易に戦を主張せず、大に衛生を重んじていたのではないかと、渋沢栄一はいいます。

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兎角、自信力の強い英雄豪傑になれば、運命を軽んじ、敵を蔑り、身を軽んずる傾向が生じ、如何に傍若無人にも自分の力によって天を制し、敵を制し、疾をも制することのできるように思う傾きを生ずるものだが、このような軽率なる考えを起されず、運命を重んじて慎重に斎を致し、勇に誇って敵を軽んずる如きことを為さず、細心の注意を以て衛生の道を重んぜられたところに、孔子孔子たる偉い点がある。(参考:「実験論語処世談」 渋沢栄一記念財団

 孔子ではないですが、常日ごろ衛生に心がけ、感染対策をしっかりしていくしかないということでしょうか。また、社会にあってもさらなる公衆衛生の向上に努めていく必要がありそうです。ワクチンだけではなく、感染抑制となる環境作りも求められていそうです。

 

 

「子 疾病し。子路 禱(いの)らんことを請う。子曰わく、諸れ有りや。子路対えて曰わく、之れ有り。誄に曰わく、爾を上下の神祇に禱ると。子曰く、丘の禱るや久し」と、「述而第七」34にあります。

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「平素勝手気儘な真似ばかりして暮らし、病気が悪化してから、如何に神仏へ禱ってみたところで、神仏がその祈願を聞き届けて下さろう筈も無い。人間の一生と申すものはこれ祈禱であり、日々これ坐禅のごとくであらねばならないのが法だ」と栄一はいいます。

「祈禱とは他無し、天道に合し人道を履んで行く事である。これがまた坐禅でもある」ともいいます。

 この意味において、孔子は日々天道に合する事のみを言い、かつ行っていたから、特に音声を揚げて「助け給え救い給え」と禱らなくても、「丘の禱るや久し」といいえたのだろうと解説しています。

 あまり教訓的に捉えることもないのかもしれませんが、コロナの収束を願うということは、日々の衛生を怠りなくし、また、自分の身の回りにおいても、他者への配慮、うつさないと、日々祈って実行すべきとも解釈できるのではないでしょうか。結局、それによって日々の暮らしを平静に保てるということなのかもしれません。