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【言 慎しまざる可からざるなり】恫喝する大臣、「徹底的に干す」「脅しておいて」 ~炉辺閑話 #4

 

「脅しておいた方がよい」「徹底的に干す」などと、会議の席上で発言した平井卓也デジタル改革担当大臣が話題のようです。

 真意はわかりませんが、率直にいって、スマートな対応とは思えません。

 

君子は一言以て知と為し、一言以て不知と為す

「君子は一言以て知と為し、一言以て不知と為す。言 慎しまざる可からざるなり」。(「子張第十九」25)

 発言するその一言で、賢者とも愚者ともわかってしまう。発言は慎重でなければならない。よく考えてから発言すべきということなのでしょうか。 

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 人は常日頃考えていることが、行動や態度に現れるともいわれます。それゆえのことなのかもしれません。

 

 

 

其の身正しければ、令せずとも行なわる

「其の身正しければ、令せずとも行なわる。其の身正しからざれば、令すと雖も、従われず」(「子路第十三」6)といいます。

  己のあり方が正しければ、命令しなくとも人々はその人の考えに同調するだろうし従う。

 一方で、今回の平井大臣のような言動であれば、従わなくなるということでしょうか。

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 命令されたことは斟酌し、減額交渉して、結果は得ることはあったのかもしれません。

 しかし、会議の席上の誰かが「その過激な言葉」をリークし、ある意味で反旗を翻したことになります。

 「言 慎しまざる可からざるなり」、やはり言葉は慎重にしたほうがよいのでしょう。

 

 

 

穿窬の盗のごとき

 「之を道くに徳を以てし、之を斉うるに礼を以てすれば、恥有りて且つ格(ただ)し」(「為政第二」3)といいます。

  指導する立場の人が、「政治」するのでなく、人徳をもって指導し、礼(規範)、マナーを整え、それに従えば、「不善」を恥じるようになるといわれます。 

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 今回の平井大臣の発言は、とても「善」とはいえそうにありません。 

「之を道(みちび)くに政を以てし、之を斉(ととの)うるに刑を以てすれば、民免(まねか)れて恥無し」ともいいます。

 法治国家を否定するわけではありませんが、政治を行い、治安のために刑罰のみに頼っていては、法律違反にならなければ、何をしても大丈夫となり、そうしても恥を感じなくなってしまう。

 平井大臣の言葉にそんなことを感じます。

「穿窬の盗のごとき」ということでしょうか。

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