「論語を現代に活かす」 時代を超えて読まれた名著

未来はすべて次なる世代のためにある

乱高下する円相場、急落する日経平均株価、力足らずの経済

 政府日銀による介入があったのでしょうか、ドル売り・円買いが進み、一時1ドル=157円台半ばをつけたといいます。米国で6月のCPI 消費者物価指数が市場予想を下回ったことが理由とは言われています。

政府・日銀が為替介入 円相場、一時157円台半ばに | 毎日新聞

 CPIが市場予想を下回れば、ドル売り・円買いとの見方だったようです。それにうまく乗じての介入との見方もありそうです。一時値を戻しましたが、再び円安方向に動いているようです。今後の方向感が気になります。

 

 

 日経平均株価が昨日、初めて4万2000円台に乗せ、史上最高値を更新しました。株価はこのところ好調です。もう一つの指標TOPIXも史上最高値を更新するようになりました。

[社説]「新TOPIX」で企業改革の後押しを - 日本経済新聞

 今日は為替要因で値を下げていますが、改革期待で好調さを持続しているようです。好調さを持続させるには、期待通りに不断の改革が欠かせないのでしょう。一方で、このところ、アクティビスト 物言う株主の活動が活発化してきています。それからすると、まだまだ経営にその意識が浸透しているとは言えそうにないのかもしれません。

投資を拡充して成長基盤を築く。使い道のないお金は株主に返す。目的のはっきりしない政策保有株は売却する。そして株主と密に意思疎通する。こうした基本的な施策こそが、企業価値向上の王道であることを確認したい。(出所:日本経済新聞

 もしかして、アクティビストの方が経営者たちよりも企業価値向上の王道に精通していそうな気もします。昨今の株主提案や事業買収などからしてもそういえるのではないでしょうか。

 

 

論語に学ぶ

子 匡(きょう)に畏(おそ)る。曰わく、文王既に没したれども、文 茲(ここ)に在らずや。天の将(まさ)に斯(こ)の文を喪(ほろ)ぼさんとするや、後死者(こうししゃ)者は斯文(しぶん)に与(あずか)るを得ず。天の未だ斯文を喪ぼさざるや、匡人(きょうひと)其れ予を如何せん、と。(「子罕第九」5)

 孔子の一行が匡という土地で警備隊に囲まれました。そのとき、孔子は「周の文王はすでに没したけれども、道は、ここ私に伝えられているではないか。もし天が斯の道ー斯文を絶とうとするならば、後世の人は斯文の恩恵に与ることでできなくなるのだ。天が斯文を滅しようとしないならば、匡の人々は私をどうすることもできないであろう」といいました。

dsupplying.hatenadiary.jp

 窮地に陥ったとしても天が見放さない限り、そこから脱することができる、天命を悟った孔子の自信の表れといわれます。

 こうした姿勢が昨今の経営者には欠けていそうな気もします。ろくに経営努力もせず、慢心となって、規律が緩んでいく、外部からの圧力は強まりますが、何を実行してよいやらそれを思案するばかり。これが失われた時間を長引かせることになった理由のようにも思います。期待先行で好調な株価、今度こそ期待通りの結果を示して経済をより確かなものにし欲しいものです。 

 

 経済ばかりでなく、「なんだかなぁ」と釈然としないことが増える今日この頃。防衛力強化で注目の自衛隊の大量処分問題、規律、モラルが地に落ちたものだと感じます。パワハラ疑惑の兵庫県知事は居直り、副知事が涙を流し悔しさをにじませ会見し、辞職すると話していました。規範が崩壊していそうです。

「人間の考えることの土台には、なにがあるのか?
なにをよしとし、なにをあしとするかの軸はどう決めているのか?
その基礎にあるものは、ほとんど『論語』のなかに記されていた‥‥。
ほんとかよ?!あらためて、いま、『論語』なのか?」 (出所:ほぼ日刊イトイ新聞

 モラルや秩序の回復が求められていそうです。しかし、まだまだその乱れに乗じて一旗揚げようとする動きが増えそうな気もします。そうした風潮に抗わなけれならないのでしょう。そうでないと善悪や正邪がおかしなことになり、社会秩序の乱れが深刻化していきそうです。

 

「参考文書」

【日本市況】日経平均初の4万2000円、半導体買い-円38年ぶり安値圏 - Bloomberg

第1回 『論語』は孔子の「成りあがり」? | 『論語』はみんなのなかにいる! | 呉智英 | ほぼ日刊イトイ新聞