セブン&アイホールディングスに対する買収提案の行方が気になります。「当社の本源的価値及びそれら価値を顕在化する機会を『著しく』過小評価している」、カナダのコンビニ大手アリマンタシォン・クシュタールの買収提案に対して、賛同しかねると回答したそうです。
7&iHD、買収提案には賛同しかねる-クシュタールに書簡送付 - Bloomberg
日本のコンビニの雄が買収対象になったことに驚きでしたが、ここ最近のゴタゴタからすれば、こうなって当然なのかもしれません。スピード感がないうえ、企業価値、株主価値を最大化できていないのでしょうから。
いずれにせよ、成長戦略を見直しせざるを得ないようです。セブン&アイの売上の8割を占める海外コンビニ事業、イトーヨーカドーなどのスーパー事業の改革が喫緊の課題となるのでしょうか。それがリップサービスではないことも証明しなければならなるようです。
「参考文書」
セブン&アイ、買収提案「不賛同」は定石通り 交渉の門戸は閉ざさず:日経ビジネス電子版
アメリカのセブン-イレブンがもうすぐ「日本風」に生まれ変わる? | Business Insider Japan
好調な世界最大のスーパー ウォルマートに学べないのか
米国では、小売り大手のウォルマートの業績が好調のようで、「一人勝ち」状態といいます。消費者のインフレ疲れで他の小売業やサービス業の収益が鈍化するなか、7200品目で値下げを実施したことで客足を伸び、5〜7月期の売上高は前年同期比4.8%増になったそうです。
ウォルマート5%増収 5~7月、7200品目値下げで集客 - 日本経済新聞
なぜひとり勝ちなのか、世界最大級のスーパーウォルマートの強みの本質をわかれば、イトーヨーカドーの再生もありそうな気がします。あのアマゾンでさえ、その初期においては徹底的にウォルマートを研究したといいます。そこに何かヒントがあるのではないでしょうか。取り組みが甘い、それに尽きるのかもしれませんが、まだできることはあるはずです。
「参考文書」
アメリカ最大の食料品チェーン「ウォルマート」が誇る、最新鋭の生鮮品配送センターをのぞいてみた | Business Insider Japan
「安くて大容量」、急拡大する新興スーパー「ロピア」
今、最も集客力があるスーパーマーケットとして「ロピア」が注目されているといいます。「安くて大容量」を売り物に、また「食のテーマパーク」をうたう独自の売り場づくりを強みにして、店舗網を拡大させているそうです。
急成長の食品スーパー、ヨーカドー店舗承継 ロピア、2兆円の野望 買収で「食のSPA」進化:日経ビジネス電子版
ロピアは、イトーヨーカ堂が撤退した北海道や東北などの店舗を引き継ぎ、順次オープンさせていくといいます。その勢いのまま新たな全国区スーパーとして名乗りを上げることになるのでしょうか。
「参考文書」
ロピア、売上高2兆円の野望 養豚から外食まで「食のSPA」構築:日経ビジネス電子版
セブン、おにぎりや日用品など「うれしい値!」 節約ニーズに対応 | 毎日新聞
勢いある企業と落ち目の企業では、サプライチェーンの構築からマーケティングまでビジネスのアップデートに圧倒的な差がありそうです。そのスピード感の違いはどこからくるのでしょうか。古ぼけた企業文化、組織体制、そうしたものが人材を活かすことを阻み、改革を遅らすことになっていそうな気もします。
論語に学ぶ
君子重からざれば、則ち威あらず。学びても則ち固ならず。忠信を主とし、己に如かざる者を友とする無かれ。過ちては則ち改むるに憚ること勿れ。 (「学而第一」8)
上に立つ者は、重々しい態度をしていなければ威厳がたもてず、あなどられるだろう。上位者には学問をしていないものが多いが、それでは考えが固定して融通がきかない。学問をしなければならない。「忠」とはまごころ、「信」は約束を違えぬこと。まごころがあって嘘をつかない人と馴れ親しんで、そうでない人間を友とするな。過ちをおかしたならば、素直に改心して改めるべきである。こだわってはならない、と孔子は言いました。
こうあるべきなのに、ついつい優秀さを優先して、ずる賢い人物を周囲に集めたりするのが間違いのもとになったりするのでしょうか。
このところ海外企業に買収案件が増加しているようです。もしかして日本企業の経営が甘々ということを見透かされているのでしょうか。
日本ではこれまで大規模な企業買収は非常に少なかった。長い間、保身で凝り固まった経営陣や株主間の利害関係により、経営状況を根本的に変えるような案件から守られてきたため、部外者には入り込めない領域と考えられてきたことが背景にある。(出所:ブルームバーグ)
今回のクシュタールによるセブン&アイ買収提案は、日本企業経営陣への警鐘になってほしいものです。長く経済が低迷したのも、企業経営の失敗によるものなのでしょうから、これをきっかけにして根本的に変わって欲しいものです。
買収防衛策の最善は企業価値、株主価値の最大化なのでしょう。そのためには顧客が喜ぶ商品やサービスを賢く、素早く開発、販売しなければならないはずです。それが第一優先であり、最も大切なことではないでしょうか。それを忘れているから、健全に経営できずに苦しんでいるように思えます。グリーバル企業 セブン&アイホールディングスはどんな結末を迎えることになるのでしょうか。

