「論語を現代に活かす」 時代を超えて読まれた名著

未来はすべて次なる世代のためにある

祈られる、令和の就活、節目迎える日本経済

 下落していた日経平均株価が反発、1032円超の上昇となりました。米国での利下げ開始時期が遅れるの見方もあり、円安に動いたことが追い風だったといいます。本日発表される日銀の今後の金融政策を見越し、それを消化してのことだともいいます。

日銀が大規模緩和の解除を19日に決定へ、YCC終了-報道 - Bloomberg

 事前にリークがあるのかどうかはわかりませんが、日銀はマイナス金利政策の解除やYCC イールドカーブコントロールの撤廃、上場投資信託ETF)などリスク資産を買い入れる枠組みをなくし、異次元緩和が終わることになりそうだといいます。ただ、大規模ではないものの緩和策は続くようです。

 

 

 企業では、解除後の世界を見据え、動き始めているといいます。ファーストリテイリングはマイナス金利解除で円高方向に進めば、決済のためにドルを買う為替予約の頻度を下げるそうです。頻度が下がれば手間やコストの軽減などのメリットが見込めるといいます。

日銀のマイナス金利解除へ秒読み、リクルートHDなどトップの反応は - Bloomberg

 アサヒグループホールディングスは、短期的な金利や為替の変動に一喜一憂することなく、賃上げによって日本経済に好循環が生まれるかを見極めるのに今年は重要な年になるとみているといいます。まだ毎年値上げできる環境が整っていないが、経済が好回転すると値上げもできるようになると期待を寄せているそうです。

受けても祈られる、厳しい令和の就活

 経済情勢の変化は就職戦線にも変化をもたらします。 株価は急騰しても就活はバブル期のように「行けば受かる」と楽観的なものではなく、令和の就活に臨む「Z世代」はそう楽なものでないといいます。

Z世代の就活、平成バブル組と何が違う? 準備なければ「祈られる」時代【解説委員室から】:時事ドットコム

 バブル期同様、売り手市場といいますが、有名企業の内定は優秀な学生に集中し、依然として狭き門で、Z世代にはバブル期にはなかった苦労があるそうです。

「受けても祈られる」。祈られるとは、不合格を意味する就活生の俗語。企業は採用 基準をあまり下げていないという。(出所:時事ドットコム

 元気がよく、従順な印象が通用したバブル期とは異なり、今では「言われたことをするだけならAI 人工知能やロボットでいい時代」になっているそうです。

 

 

「自分が求められる人材になっているのかどうか」、令和の就活生の悩みだそうです。

 終身雇用、年功序列が色濃く残り、それに従っていても描けたバブルの時代とは違って、今ではキャリアを自分で切り開かなければならず、人生100年時代を見据えて、自分のライフプランを考えて会社を選ばなければならなくなっているといいます。

 日本経済と自分の会社の成長を信じ入社し、一つの会社で勤め上げることがバブル期の安定でしたが、今どきの「安定」は、自分が安心してキャリアアップについて考えることができるとか、企業業績ではなく「心理的安全性」になっているそうです。

名目GDP1000兆円

「21世紀前半の名目国内総生産GDP)1000兆円という目標は努力を続けていけば視野に入ってくる」、首相が参院予算委員会でそう発言したそうです。

名目GDP1000兆円、岸田文雄首相「21世紀前半の達成視野」 - 日本経済新聞

 「新たな成長型経済への移行のさなかにあり、この流れをさらに加速させ経済の好循環を実現する」とも語ったようです。相変わらずのんきなものです。絵空事が大好きなようです。

 年間3%のインフレが継続すれば、名目GDP1000兆円の達成は可能といいます。しかし、それだけでは意味はなく、国が富み、国民が豊かになるためには実質的な成長が必要といいます。バカのひとつ覚えのようにバラマキを続けているだけでは、一部国民の歓心を買うことができますが、令和の時代を生きる若者たちのためになるかは疑わしいと専門家は指摘します。

 

 

論語に学ぶ

吾(われ)の人に於けるや、誰をか毀(そし)り誰をか誉めん。如(も)し誉むる所の者あらば、其れ試みし所有ればなり。斯(こ)の民や、三代の直道(ちょくどう)にして行なう所以(ゆえん)なり。(「衛霊公第十五」25)

 私は他者に対して理由もなく非難したり称賛したりしない。もし称賛した人物があったとしてならば、それは検討した結果だからだ。そういう人たちは、よく治まっていた夏、殷、周の三王朝それぞれ初期の人々が心をゆがめることなく、善は善とし、悪を悪として、行動できたわけと同じであると、孔子は言いました。

dsupplying.hatenadiary.jp

 首相の在職日数が田中角栄元首相の886日を抜き、戦後の首相35人中の9位になったといいます。長い割には評判は良くなく、「増税メガネ」など揶揄する言葉が増えています。それも、これといった成果がないからなのでしょう。

岸田文雄首相、増税メガネと呼ばれても 財政健全化のプラン練るとき - 日本経済新聞

「政治家は、罵倒されたからと言って自分が感情的になってはいけません。糠(ぬか)に釘ではないですが、ありがとう、と笑って受け流す『暖簾(のれん)に腕押し作戦』で切り抜けるしかありません」(出所:日本経済新聞

この2年半、ひたすら延命をはかるうちに、就任前の著書「岸田ビジョン」で披露した処世術に磨きがかかったようだと記事は首相を評します。

 

 

 自民党の党大会が17日、都内のホテルで開かれたそうです。これまでのような「お祭りムード」はなく、党の苦境ぶりを現れていたといいます。

自民党大会「お祭りムード」皆無 首相は謝罪の言重ねる - 日本経済新聞

 末期的な症状というところでしょうか。もうそろそろ長く続いた自民党政治を終わらす時なのかもしれません。そうなれば、時代は前に進み、ものごとがスピードアップしていきそうな気がします。経済の好転も早まり、国民が豊かさを感じるようになるのではないでしょうか。

 

 

「参考文書」

日経平均株価、急反発1032円高 終値3万9740円 - 日本経済新聞