「論語を現代に活かす」 時代を超えて読まれた名著

未来はすべて次なる世代のためにある

コスパの良い人生、嫌われるダラダラ、効率悪すぎる自民党

「タイパ」に「コスパ」、ありとあらゆるところに効率化を求めるようになっています。映画を2時間かけて観るのではなく2倍速で楽しむ、そんなことはあたり前で、それによって空いた時間をもっと有意義なこと、収入増やキャリアップのために使う、その方が充実感のある生き方「コスパの良い人生」ということのようです。

 

 

 結婚に希望が持てない人が一定の割合で存在するようです。ちょっと信じがたいことでもありますが、結婚についてもコスパが悪いと考える人が意外にも多いといいます。これもまた少子化が進む原因のひとつなのでしょうか。

「結婚を避け、子供をもたない」ほうが人生のコスパが良い…現代の日本人に起きている"憂慮すべき変化" 「自己家畜化」が進み、資本主義の下僕になっている | PRESIDENT Online(プレジデントオンライン)

 ダラダラと仕事を続けるよりは、効率をアップさせ、テキパキと仕事をこなして、プライベートの時間を充実させる、それはそれでよいのでしょうが、そのプライベートの時間を含め1日24時間を効率的に使うことを考えるようになるとちょっと息苦しくなりそうです。

 何から何まで資本主義の考え方に落とし込み、費用対効果に換算し、人生の価値基準を資本主義のそれに換算することが「コスパの良い人生」ではないかと、プレジデントオンラインの記事は指摘しています。

 そもそも効率化とは時間、労力、資源の節約を目指す行為で、ムダなどを取り除き、余裕を生み出すことのはずです。効率化に終わりはなく無限なものといわれます。せっかくの余裕を楽しむことなく、過度に効率化を追求するばかりでは弊害が生まれそうな気もします。それでは本末転倒です。

 

 

資本主義

 資本主義とは弱者のための制度であったはずです。それ以前の社会は封建制度が支配し、一握りの裕福な領主たちが権力とおカネを独り占めにし、平民の手には何もない時代でした。その後に登場したのが資本主義です。

問題はどれほど良質な制度であっても、目を光らせてよく監視していないと時間とともに錆びついてしまうことだ。(引用:なぜ真のリーダーはいないのか リー・アイアコッカ

 資本主義の下、いつのまにか、富を増やすかばかりが強調されるようになりました。しかし、それも時代の経過とともに変化していくのかもしれません。それが人生の目的ではなく、もっと大切なものがあり、おカネは単にその大切なものを叶えるためのツールにすぎないとの考えがやがて定着することになるのかもしれません。

 一方、政界のおカネへの執着はうんざりです。求められる政治改革はダラダラとして、一向に前に進みそうにありません。これこそ資本主義社会なのですから、もっと「タイパ」と「コスパ」が追求されてもよさそうなものです。

自民党大会始まる 「解体的出直し」明記 “政治とカネ”に危機感|日テレNEWS NNN

 長く続く自民党の一党支配、見方によっては封建時代のようなものなのかもしれません。一握りの者たちだけが権力とおカネを独り占めにし、国民は搾取されるのみなのですから。それゆえのダラダラでしょうか。

 

 

論語に学ぶ

人の生くるや、直たれ。之 罔(な)くして生くるは、幸いにして免(まぬか)るるのみ。(「雍也第六」 19)

 人が生きてゆくときは正直であれ。それがなくて生きたとすれば、幸運にも刑戮を免れただけのことだと孔子はいいました。

dsupplying.hatenadiary.jp

「木が曲るのはおさえるものがあるからで、おさえなければまっすぐに成長しない木はない」、人間もまた同じで、本来は真直ぐなものだといいます。しかし曲った、邪まなことをして生きている人間がいるのが現実です。本来、こういう人物は刑罰をうけるべきなのだが、偶然にあるいは僥倖によって生きているだけと孔子はいいます。

 維新の時代から政商であった三菱の4代目総帥岩崎小弥太も「僥倖を恃(たの)み詭計を用いて成功するは最も恥ずべきことである。真正の努力を重ね、苦心を積み、いかなる失敗にも屈せず奮闘してから得た成功こそ真の成功である」といっています。孔子と相通じるものがあるのでしょうか。

 まずは不正直者を排除し、速やかに政治改革を進めなければ、資本主義下で受け取ることのできるはず恩恵に授かることができないままになってしまいそうです。健全化を進めることができれば、効率化を求めつつも、そこから生まれる余裕を楽しむことができるようになるのかもしれません。

 

 

「参考文書」

タイパ高める「超圧縮」仕事術 | 日経クロステック(xTECH)