自民党裏金事件の追求が続いています。参議院でも政治倫理審査会が開かれ、また衆議院でも下村元文科相が出席意向を示しているそうです。
高級クッキー贈答疑惑 「意味が分からない」世耕弘成氏の言い訳 上脇博之教授は「外形的には公選法違反」とも:東京新聞 TOKYO Web
叩けば埃が出るものなのでしょう。どんなものでも、細部までせんさくすれば、欠点や弱点が見つかるものだといいますが、進歩もなく、悪しき慣習がはびこっている組織においてはなおさらなのでしょう。
それにしても、会合の後の懇親会の余興に過激ダンスショー、高級料亭の会合、会食の後の銀座のクラブ、高級菓子の贈答などなど.......。バブルの残り香が漂ってきそうです。古き良き時代として、何の疑問もなくダラダラと続けてきてしまったのでしょうか。こうした甘えが改革を阻んでいるのかもしれません。時代が大きく動いて、自らをそれに適合させ、変化させていかなければならなかったのに、通り過ぎた過去に身につけた習慣(今でいえば悪習)を捨てきれずにいるのではないでしょうか。半場強制的にそれらを終わらそうとすれば、茫然自失し、混乱するのは避けられないのでしょう。愁いてそれを嫌がれば、古い習慣が残り、何ら変化もないもないままに時間が経過していくだけのことなのでしょう。
論語に学ぶ
甚だしいかな、吾が衰えたることや。久しいかな、吾(われ)復(また)夢に周公見ず。(「述而第七」5)
ひどいものだなあ、この頃すっかり衰えてきた。もう長い間、あれほど憧れ、理想とした周公の夢を見なくなっていると、孔子はいいました。
戦争に敗れ敗戦国となり、長く米軍に占領された時代がありました。何とか独立して国際社会に復帰しようとした人物がいて今日の日本があるのでしょう。その頃を懐かしむのならまだしも、あまり健全でなかったバブル時代を良しとして、そこに執着するから、その頃のままで何の進歩もなく世界から取り残されたきたように思えてなりません。
宮崎駿監督ではないですが、この時代を「君たちはどう生きるか」と問われているような気がします。そのためにはケリをつけねばならないことにケリをつけなければならないのでしょう。
差し当たっては自民党政治を終わらせることから始めるべきなのかもしれません。当然、そうなれば、混乱するだろうし、苦悩もあるのかもしれません。しかし、それがあってこそ、新しいことが始まっていくように思います。結局、「変革」は何かを終わらせない限り、始まることはないのではないでしょうか。
「参考文書」
自民処分、4月補選前を検討 裏金事件、対象・軽重焦点に:時事ドットコム
「いら立ちを覚えた米国人も…」アメリカのジブリ研究者が語る「君たちはどう生きるか」の意義 アカデミー賞:東京新聞 TOKYO Web
深遠なテーマを娯楽作に 宮崎監督、日本アニメの国際的評価高める―米アカデミー賞:時事ドットコム
「寅さん」の居場所がなくなった時代のニヒリズム 【戦後保守政治の裏側 ㉖】:時事ドットコム