「論語を現代に活かす」 時代を超えて読まれた名著

未来はすべて次なる世代のためにある

業績不振に陥ったスノーピーク、株式非公開化、投資ファンドに託す経営再建

 東証プライムに上場するアウトドア用品大手のスノーピークの業績が急速に悪化、純利益は前期比99.9%減の100万円になったそうです。コロナ渦も明け、アウトドア用品の需要が一巡したことがその理由のようです。

スノーピーク、非公開化へMBO 米ベインと500億円規模 - 日本経済新聞

 スノーピークは株式を非公開し、構造改革を進めるそうです。米投資ファンドベインキャピタルと組んでTOB 株式公開買い付けを実施するといいます。

 ビジネスを急拡大させたつけなのでしょうか。現経営者にもう少し経営のセンスがあれば、少し違った結果にもなっていたようにも思います。

 

 

 ここ最近、ベインキャピタルやKKRなど、経営改革能力を持つ投資ファンドが活躍する場が広がっているようです。

ベインとKKR 再生のプロが引き出す“売られた会社”の潜在能力:日経ビジネス電子版

 ガバナンスを一新し、成長企業に再生する「企業の経営戦略の総合プロデューサー」のようになりつつあるといいます。

コンサル頼り

 かつての日本企業はイノベーションをリードしていましたが、バブル崩壊後、そのポジションを米国に奪われてしまいました。当時の日本企業は自信過剰で、もう欧米に学ぶことはないと豪語していたそうです。しかし、今はその反動からか、何かあるたびに欧米との非対称性を埋めるために安易にコンサルに頼ってしまうようになってしまったといいます。

冨山和彦 コンサルはなぜ必要とされ、なにが足りないのか|政治・経済|中央公論.jp

 自前の経営企画部が急速に力を失い、企業戦略がコンサルにアウトソーシングされるようになったともいいます。

 うなずける話です。生産性向上にしろ、DX推進にAI活用にしろ、その多くを外部のコンサル頼りになっています。

今のコンサルは規模の拡大とIT化によって装置産業(生産工程の大部分を大規模施設・設備が担う産業)化しているので、分析手法や戦略策定、さらには実行計画へ落とし込むフレームワークやテンプレートが無数にあって、その組み合わせだけで相当なことができてしまう。緻密な仕組みがすでに構築されているので、ファクトとロジックをベースに考える訓練さえ受ければ、偏差値の高い優等生はそれなりに正解を導き出すことができるんです。(出所:中央公論.jp)

 

 

 職場のカイゼン構造改革もその手順、フローについていえば、大きな差はないはずです。コンサルがやっていることを自社内でできるようにすべき気もしますが難しいのでしょうか。その肝を身につければ、活躍できる機会も増えそうです。

論語に学ぶ

柴(さい)や愚、参(しん)や魯(ろ)、師や辟(へき)、由(ゆう)や喭(がん)。子曰わく、回(かい)や其れ庶(ちか)きか。屢(つね)空(むな)し。賜(し)や命を受けずして貨殖(かしょく)す。億(はか)れば則ち屢に中(あ)たる、と。(「先進第十一」18)

 孔子が弟子の個性を評しました。柴は愚直でこれ一筋、参は重厚、地味だがよく心得ている、師は華麗で熟達している。由は自信があって強気で剛情。「回(顔淵)こそ、私のありかたに近いぞ、毎(つね)に心空しの状態となる。賜(子貢)は天命を待ち受けず、自力で財産を増やす。考えて発言し、その判断はいつも正確である」と、孔子はいいました。

dsupplying.hatenadiary.jp

 賜(子貢)、孔子より32歳年少の弟子で、「言語に子貢」「賜や達なり」というように、スマートで、先々を的確に見通すことができる優れた人物であったようです。また孔子学団を財政面で支えたともいわれます。

 孔子の個別指導があったせよ、同じ学団で学んでも、やはり個性は違ったものになるのでしょう。それを的確に把握し、その能力を上手に活用できれば、変化を生み出し、改革も的確に進めることもできるのでしょう。

 

 

 政治改革はなかなか進まないようです。30年以上の時間をかけても何も変わっていないともいいます。改革を進める能力を持った人物がいないということなのでしょう。

自民の派閥解消、なぜ放置? 政治改革大綱から30年超【政界Web】:時事ドットコム

「類とは友を呼ぶ」といいます。集まる人間はみな私欲に満ち、自己満足優先で改革なんぞは二の次になってしまうのでしょうか。これでは改革の旗手が党内から誕生することはなさそうです。「失われた30年」が「失われた40年」になりかねません。

 どこもかしこもリーダー選びを間違えているのかもしれません。

 

「参考文書」

スノーピーク純利益99%減 キャンプ失速が如実に - WWDJAPAN