「論語を現代に活かす」 時代を超えて読まれた名著

未来はすべて次なる世代のためにある

ガバナンス不全の日大、もめる人事、進まない再建

 アメリカンフットボール部員の違法薬物事件を巡る日大騒動がいつになったら解決するのでしょうか。日大の臨時理事会が開かれ、酒井学長と沢田副学長に対し辞任勧告したそうです。また、林理事長は50%の減給処分とされたといいます。

学長と副学長に辞任勧告 林理事長は減給―アメフト部薬物事件巡り・日大:時事ドットコム

 先の第三者委員会の報告書では、組織統治 ガバナンスが「全く機能しなかった」と指摘されていました。問題を起こした前理事長時代の企業文化を引きずっていたということなのでしょうか。ガバナンスを適切に機能させるのも人であり、再建も人次第ということなのでしょう。

 

 

論語に学ぶ

臧文仲(ぞうぶんちゅう)は其れ位を窃む者か。柳下恵(りゅうかけい)の賢なるを知りて、而(しか)るに与(とも)に立たざるなり。(「衛霊公第十五」14)

 魯国の大夫 臧文仲は、何もしないで給料をもらっているだけだな。柳下恵が賢人であることを知りながら、ともに政庁に立って政治を行おうとはしなかったと孔子は言いました。

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「柳下恵」、真直ぐな人だったといいます。こうした優れた人格を活かすことを考えるよりも、自身が使いやすい人物を周りに集めてしまう。人として陥りやすい過ちのひとつなのかもしれません。それが人選の難しさなのでしょう。

 

 

 支持率低迷に苦しむ首相もまた自身の周りに「賢人」を集めることができていないのかもしれません。もし賢人をあげるようになれば、みなが同じように優れた人を推挙するようになり、自ずと優れた人が集まるようになるといいます。

 しかし、なかなかそうはなりそうにありません。報道によれば、木原誠二自民党幹事長代理の言うことしか聞かないのではないかと言われているようです。木原氏は優れた人格を有する人物なのでしょうか。厳しそうです。

 ファーストリテイリングの柳井社長が、米誌「タイム」の表紙を飾ったそうです。この号の記事において、「目を覚ませ。日本は全然先進国ではない。30年間も休眠状態だったのだから」と訴えたといいます。

ユニクロ・柳井氏「目を覚ませ。日本は先進国ではない」と警鐘。米タイム誌の表紙に登場して語ったこととは | ハフポスト NEWS

「日本政府と官僚は考え方を問い直す必要がある、彼らは何もわかっていない」と指摘し、日本政府に金利引き上げや給付金の削減、抜本的な規制変更などを求めたといいます。

 日本の経済界や政界において優れた人格を有する人物が少なくなっているような気がします。その中で、柳井氏は数少ない直言を述べることができる人なのかもしれません。 

 

 

 2010年に経営破綻したJAL日本航空は見事にV字回復を果たし、2年7か月後に東京証券取引所へ再上場すると奇跡を成し遂げました。

 当時は民主党政権時代、時の政府が白羽の矢を立てたのが、当時京セラ名誉会長だった稲盛和夫氏。見事な経営再建だったと記憶しています。

政権交代後、国民との約束が守られず、厳しい思いを持たれたようだ。党が政権から落ちる12年の衆院選で、私が応援を求めると「自業自得だ。恩があるから推薦人には名を連ねていいが、応援には行けない」と冷たい反応だった。人間味にあふれ、情に厚いが、情に流されない。経営者としての冷徹な部分も併せ持っていてさすがだなと思った。(出所:南日本新聞

 稲盛さんも直言できる人だったのでしょうか。このような人物の登場が待たれているのでしょう。

 

「参考文書」

林真理子日大理事長の危うい発言 無責任同盟はびこるニッポンの組織:日経ビジネス電子版

【詳報】「お引きいただくのが一番」副学長に辞任迫った林理事長 日大アメフト薬物事件【news深掘り】:時事ドットコム

【詳報】「判断間違いなかった」沢田副学長◆日大アメフト部薬物事件、「空白の12日」を説明【news深掘り】:時事ドットコム

「自業自得だ」。民主党の元衆院議員に稲盛さんは冷たい反応だった。政権交代で国民との約束が守られなかったから | 鹿児島のニュース | 南日本新聞 | 373news.com