サム・アルトマンCEOの電撃解任で始まった米オープンAIの「お家騒動」が、アルトマン氏のCEO復帰で収束することになるのでしょうか。
アルトマン氏、オープンAIにCEOで復帰-取締役刷新で収拾へ - Bloomberg
米国のダイナミズムを感じます。ガバナンスも刷新されるそうです。従業員たちの勇気ある行動が変化を促したのでしょうか。
アルトマン氏の復職と同氏を解任した取締役会メンバーの退任がない限り、会社を去ると大多数の社員が警告し、投資家からも強い圧力にさらされたことで、オープンAIは決断を迫られた。(出所:ブルームバーグ)
変化を恐れず、拒まず、ダイナミックに変わっていくようです。この一連の騒動を教訓にできれば、健全さをとり戻し、再びオープンAIが成長軌道に乗っていくのかもしれません。
わたしたちは選択を行い、そして選択が私たちを形作る。 (出所:日経BOOKプラス)
論語に学ぶ
三人行けば、必ず我が師有り。其の善なる者を択(えら)びて、之に従い、其の不善なる者は、之を改む。(「述而第七」21)
三人が同行するとき、必ず自分にとって師となる人がいる。善き人であれば、その善いところを選びとってまねよう。悪しき人であれば、そうならないように改めていくと意味します。
目を内に転じれば、ダイナミズムに欠け、ひたすら変化を拒んでいるのではかと感じます。移ろいゆくに環境に適合させようとする意志が欠けているのかもしません。
支持率の低さを指摘された首相が、その回復にむけ「政策を実行して、経済を盛り上げていく」、「政治の努力をしっかり見てもらうことが評価につながっていく」と、国会で答弁したそうです。
中国ブイ、岸田首相「有効な対策検討」 支持回復へ努力アピール―衆院予算委:時事ドットコム
努力していくことをアピールするのもいいのかもしれませんが、努力には、「筋の良い努力」と「筋の悪い努力」があるといいます。首相の言う努力が「筋の悪い努力」になりそうな気がします。
ムダに努力にしたところで、本質を捕えられずに効率的でなければ、それは徒労に終わりそうです。こんなことにつき合わされていてはたまったものでありません。
成果のでない効率の悪い努力であっても、頑張っていますとみせればそれなりに評価されてきたのがこれまでで、それこそが日本の悪しき風習といいます。支持率低迷に苦しむ首相を反面教師にした方がいいのかもしれません。
「参考文書」
オープンAIの研究者、アルトマン氏解任前にAI巡りリスク指摘=情報筋 | ロイター
【山口周】ポストモダニズムにおける人生を道具にしない仕事の在り方
「選択の科学」 本能と意志の力が生む神秘 | 日経BOOKプラス