「論語を現代に活かす」 時代を超えて読まれた名著

未来はすべて次なる世代のためにある

新NISA 準備進む、貯蓄から投資へ、危うそうな社会課題

「先送りできない課題に答えを出す」といって、政府が様々な政策を次々と打ち立ています。

 日本がこの先どの方向に進んでいくのか、いまいち見えないところもありますが、それぞれの政策が上手に実行され、色々な改善が進んで効果があがれば、悪いことにならないのかもしれません。

 世の中に大きな問題を抱えていそうな気がして少々不安はあるのですが、とにかく良い結果が出ることを信じるしかないのでしょうか。

新NISA

 新NISA(少額投資非課税制度)が来年1月から始まります。「貯蓄から投資へ」、企業の持続的成長を通じて金融資産所得の増加につなげる取り組みで、これも先送りできない課題の一つの答えのようです。政府の経済政策の柱の一つで、「成長と分配の好循環」の実現を目指すといいます。

 

 

 その流れなのでしょうか、「グローバル投資家とのラウンドテーブル」という会合が官邸で開かれ、国内外の機関投資家、資産運用会社などが参加したそうです。

 世界最大手の米資産運用会社ブラックロックのラリー・フィンクCEOもこの会合に参加し、日本が驚異的な経済的変貌の途上にあるとの認識を示したそうです。また、「歴史は繰り返す」とした上で、日本経済が急速な成長を遂げた「1980年代の奇跡の再現が起きようとしている。この奇跡は長く続くと考えている」と語ったといいます。

資産運用立国へ、日本経済は「驚異的に変貌」-ブラックロックCEO - Bloomberg

岸田首相は資産運用立国の実現に向けて、日本独自のビジネス慣行、参入障壁の是正や「資産運用特区」の創設などを相次いで提唱した。同会合では「国際金融センターを目指す日本の変革への決意を感じ取っていただけたと確信している」とアピール。これらの改革を世界の投資家のニーズに沿った形で進めていくため、「資産運用フォーラム」の開催に向けて準備委員会を年内に立ち上げる方針を表明した。(出所:ブルームバーグ

 首相の意気込みは確かなものかもしれませんが、そううまく是正や改革がうまく進むことはあるのでしょうか。何せ変革が求められているのは、多くの問題を抱えながらそれを解消することができなかった企業なのですから。しかし、政府が声をあげれば、企業は動くようです。

貯蓄から投資へ

 NTTドコモマネックス証券を子会社化するそうです。ソフトバンクKDDIなど競合に対して出遅れていた金融分野の収益力を強化するそうです。

ドコモ、マネックス証券を子会社に 通信・金融再編は新ステージへ:日経ビジネス電子版

提携の決断は、ドコモが成長を模索した結果だったといえる。人口が減少する日本において、携帯電話事業だけで持続的な成長を続けるのは難しい。携帯キャリアの間ではユーザーの携帯料金以外で稼ぐ非通信事業をどれだけ伸ばせるかが大きな課題となっている。中でも決済や貯蓄、投資といった消費者のお金回り、いわゆる「財布」に関連する金融事業は、生活インフラと深く結びついている携帯電話事業との親和性も高い。(出所:日経ビジネス

 「ドコモはマネックスグループと資産形成の世界を変えていく」と、NTTドコモの井伊社長は強調し、この提携が日本の資産運用を変える大きな転機になると述べたそうです。

 

 

 2000兆円超にも上る家計の資産を貯蓄から投資へ、そして、それを経済活性化につなげるのは日本の社会課題でもある、掛け声としてはいいのでしょうが、企業の都合のように聞こえます。それで顧客の資産増加の一助に役立つのてしょうか。顧客不在の手数料ビジネスに陥らないことを祈るだけです。

論語に学ぶ

利に放(よ)りて行えば、怨み多し。(「里仁第四」12)

「利害打算だけで行動すると、他者から怨まれることが多くなる」と孔子は言いました。

dsupplying.hatenadiary.jp

 社会課題の解決が本分のはずなのに、それがいつの間にかビジネスチャンスと勘違いし、顧客の資産形成が忘れ去られて、企業の利益追求が一義になっていきそうな気もします。

 

 

日本企業は今なお「失われた30年」から抜け切れずにいる。画期的な技術や米「GAFA」のような革新的組織を生めず、世界から注目される経営者も現れなくなったままだ。(出所:日本経済新聞

野中郁次郎氏「失敗の本質」の著者説く 企業の失敗、野性喪失から - 日本経済新聞

 これが現実のような気がします。だからといって、すべての企業がダメだということではないのでしょう。しかし、多くの企業がよろしくない経営を続けてきたから日本経済が低迷を続けているのでしょう。信用に値するのでしょうか。企業不祥事が続く今日この頃です。全面的に信頼するにはまだ躊躇うところもあります。投資には慎重さが求められていそうです。