「論語を現代に活かす」 時代を超えて読まれた名著

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ビッグモータ不正、国の立入検査始まる

 ビッグモータ不正が世間の話題になり、問題となって、国も動かざるを得ない事態になりました。金融庁がビッグモータや損保ジャパンに立入検査に入ったそうです。

 余波もおきました。中古車業界2位で東証プライム市場に上場するネクステージにおいても不正が疑われ社長が辞任し、株価はたびたびストップ安となり下落、低迷しています。

 中古車業界、そして損保業界に今、疑いの目が向けられています。

 

 

中古車バブル

 コロナ渦の影響で新車の供給が遅れるようになり、その影響で中古車価格が上昇するようになりました。中古車業界はある意味バブルといわれるまで注目されていたそうですが、このビッグモーター不正でその潮目が完全に変わったようです。上昇を続けてきた中古車価格も、その後の情勢変化も加わり、下落しているそうです。

しぼむ中古車バブル ビッグモーター不正、価格下落に追い打ち:日経ビジネス電子版

 野心をギラギラと燃えたぎらせて、大事な何かを忘れ、富裕になろうとするばかりに不正に走ったしまったというのがこの騒動の顛末なのでしょうか。

「ビッグモーター問題によって中古車販売業界全体のイメージが下がることが心配だ」と前出の磯﨑社長は語るが、それが現実になりつつある。今、何よりも求められているのは消費者を欺かない姿勢であり、それをいかに消費者に伝えるかが店舗運営のカギになる。見方を変えれば、この難局で消費者の信頼を勝ち取った事業者は成長へのチャンスをつかめるだろう。(出所:日経ビジネス

横行した悪質販売手法

 悪徳な業界リーダーの振舞いは業界全体に悪影響を及ぼしたのでしょうか。中古車販売の価格表示ルールが10月1日から変更されるそうです。

中古車価格、総額表示が義務化 10月から、悪質販売を是正:時事ドットコム

実際には購入できない安価な価格を表示することで消費者を呼び込み、商談の際に表示価格を大きく上回る金額を請求する悪質な販売手法を、是正する狙いがある。(出所:時事ドットコム

 販売事業者に対し、車両購入時に最低限必要な全費用である「支払総額」とその内訳を表示することが義務化されるといいます。

 消費者を騙してでも富を得ようとする行為が常態化していたのでしょうか。

 自動車などの公正な販売を推進する団体の自動車公正取引協議会は、業界の信頼回復が急務として、これらをまとめたそうです。「中古車の価格は諸費用込みの支払総額で比較してほしい」と消費者にも注意を呼び掛けているそうです。

 

 

論語に学ぶ

宰我(さいが)問うて曰わく、仁者は之に告ぐるに井(せい)に仁有りと曰うと雖(いえど)も、其れ之に従わんや、と。子曰わく、何為れぞ其れ然(しか)らん。君子は逝かしむ可(べ)きも、陥らしむ可からず。可きも、罔(し)う可からず、と。(「雍也第六」26)

  弟子の宰我が「仁者は他人から井戸に人が落ちていますと告げられた時、自ら井戸の中に降りて救出に向かうのでしょうか」と質問しました。孔子は「そういうものではない。君子 教養人ならば、話を聞けば見過ごさずにその現場に行くべきだが、状況次第なので、必ず井戸の中へ降りてゆくとは決めない。井戸での人身事故とだまして現場に行かせることはできても、それで井戸に降りないからといって、その行動をそしることはできない」と答えたいいます。

dsupplying.hatenadiary.jp

 君子は猜疑心があってはならない。情報に多少の疑いがあろうとも、相手の言葉を信じてまずは飛び出す。しかし、井戸の側まで来ても、自らいきなり飛び込んだりはしない。勇気がないからではない。彼の判断力はいつも曇らない。状況に応じた適切な処置を機敏に行なうだけで、軽挙盲動は決してしないといいます。

 この言葉は、才子の宰我が難問をもって孔子にからんだのではないかといわれます。小知恵を働かせて他者を欺いて、己の満足を図ろうとする輩はいつの時代にあっても存在するのでしょう。

 

 

 今の政府にしろ、政権与党にしろそうなのでしょうから、世の中に小知恵を働かせる人が増えていくのも自然な流れような気がします。

社会に良いことをする

 日本長者番付一位を続けるファーストリテイリングの柳井社長は、たびたび会社を存続させていくためには、「社会に良いことをする」以外はないと口にされています。

 騙したり、欺くなど言語道断ということでしょうか。そんなこととは無縁で、ごく当たり前に良いことをしているだけで、驚くほどを富を築けるということなのでしょうか。

 まっとうなことをやっている人は評価されなかったり、その存在に気づかないことがあるのかもしれない、そう感じたりします。 

 

「参考文書」

「違法な“代理クリック”は当たり前」ビッグモーターに次ぐ業界第2位・ネクステージの‟保険営業不正の実態”《社長が突如辞任》 | 文春オンライン

社長辞任のネクステージ、株価がストップ安 2カ月で半額以下に:朝日新聞デジタル