「論語を現代に活かす」 時代を超えて読まれた名著

未来はすべて次なる世代のためにある

批判鳴り止まないビッグモータ、内閣支持率を下げる政権

 ビッグモータの不正を暴く報道が続いています。

「われわれ目線ではなくて、結果的にはお客さんに喜んでいただこうと」、「お客さん目線でいろいろと考えていくと、結果的に今のような形になったわけですね」と兼重社長が会社案内の動画の中でこう語っているといいます。偽りの顧客中心主義ということでしょうか。

兼重社長「お客さんに喜んでいただこうと」 中古車購入者は「行くたびトラブルに」 <ビッグモーター不正請求問題>|FNNプライムオンライン

 火を見るよりも明らかな不正行為であっても、批判報道はあって然るべきなのでしょう。それによって同種の不正防止に役立てばよいのでしょうし、独善的なことや不正行為で富を得ることが割に合わないと伝わっていけばいいのでしょう。

 

 

令和臨調での議論で

 経済界、労働界、学識者の有志で構成する政策提言組織「令和国民会議」(令和臨調)が、与野党党首との対話集会を東京都内で開き、岸田首相を含め5党の党首と意見を交わしたといいます。

「結果を出すことが重要」岸田首相が防衛費増など実績強調 令和臨調1周年大会 出席5党首は何を語った?:東京新聞 TOKYO Web

 防衛費増額や少子化対策の抜本強化を進めたと政権の実績をアピールし、「真剣な議論も重要だが、結果を出すことが政治では重要だ」と、首相が述べたといいます。

 また、令和臨調の佐々木共同代表が、「国会は役割を十分に果たしていない」と批判したのに対し、首相は「指摘は謙虚に受け止めなければいけない」と応じ、「国会の議論も批判だけではなく、国民に分かりやすい形で選択肢を示していくことが大事だ」と語ったといいます。

 自身で実績と思えることも、第三者の目にはそうとは見えないから批判があるのでしょう。批判があって、議論して、よりよい結果を求めればよいのに、そうしなから、問題指摘されるのでしょう。そのに気づきを得ずに、結果がすべてという考えに執着するから独善的なことばかりが蔓延っているのではないでしょうか。

論語に学ぶ

苟(まこと)に仁に志さば、悪無きなり。(「里仁第四」4)

 江戸期の儒学者伊藤仁斎は、「仁に志せば、人を慈しむことになるから、おのずと人から悪まれることがなくなる、世間は公平によく見ている」と解しています。

dsupplying.hatenadiary.jp

 顧客中心主義のもとになるような言葉です。しかし、こうした言葉を逆手にとって悪用しているのがビッグモータなのかもしれません。

 

 

仁に志せば、人を慈しむことになるから、おのずと人から悪まれることがなくなる、世間は公平によく見ている

 支持率を下げる首相にも知って欲しい言葉です。結果がすべて言って、国民のためにならない独善的なことに走るから嫌われるのではないでしょうか。

顧客中心主義

 ネット証券大手のSBI証券が、株の売買手数料を無料化すると宣言し、業界に波紋を広げているといいます。

 手数料収入で成り立つ証券会社のビジネスモデルを揺るがす事態に競合が対応に苦慮しているそうです。

SBI証券「手数料ゼロ」の衝撃 「顧客中心主義が業界を淘汰する」:朝日新聞デジタル

 来年のNISA(少額投資非課税制度)拡充をにらみ投資未経験者の関心が高まっていることを背景に、新規顧客獲得のための施策のようです。

 手数料の無料化は、利用者にとっては喜ばしいことです。SBIは、外国為替取引や信用取引への貸出金など収益源の多様化を進めていたそうです。そうした努力あっての成果のようです。いまだに手数料収入が売上の大部分を占める競合には、真似できそうにないことといいます。

 

 

 こうしたことが真の顧客中心主義なのでしょうし、こうしたことを通じて社会課題が解決されていくのかもしれません。その上、企業の収益も拡大していきそうです。

 ポジティブループ、こうして企業評価も向上していくのでしょう。

 不正や独善的なことが無意味であるはずなのに、なぜそれに走ってしまうのでしょうか。

 

「参考文書」

岸田首相「国会も変わらねば」 令和臨調で異例の言及:時事ドットコム

ネット証券の顧客争奪戦が激化、手数料無料化も…投資への関心高める「未経験者」に熱視線 : 読売新聞