6月の国内企業物価指数を日本銀行が公表し、前年同月比4.1%の上昇だったといいます。上昇率は昨年12月から6カ月連続でプラス幅が縮小したそうです。日本銀行が12日に公表した。
企業物価指数6月は+4.1%、21年4月以来の低い伸び 電力が下押し | ロイター
日銀は、消費者物価(生鮮食品を除くコアCPI)はプラス幅を縮小していくとみているそうですが、企業が積極化させる価格転嫁する動きもあり、足元のコアCPIは日銀の想定よりも上振れに推移しているといいます。
日銀の目論見通り、物価上昇が落ち着くことはあるのでしょうか。
そんな中、物価高騰にあっても価格を据え置いているサイゼリヤが、粉チーズの無料提供を終了すると発表しました。またテイクアウト販売を縮小し、店舗オペレーションの効率化につなげ、低価格を維持していくそうです。
サイゼリヤ、粉チーズ無料提供終了 価格維持へ見直し - 日本経済新聞
人気の「辛味チキン」「ミラノ風ドリア」「ピザ」などのテイクアウトは継続するといいます。
こうした措置は、接客を充実させ、店内オペレーションを改善して客席回転率を高めて、売り上げを増やす狙いがあるのではないかと記事は指摘します。
ただ原材料高騰によるコスト増を吸収できず、収益は悪化しているそうです。収益改善には一段のコスト削減が必要となっているともいいます。
無料サービスを止めても価格維持すれば、物価高騰が続くなか、集客は見込め、収益改善にも寄与していくことなのでしょうか。企業業績よりも顧客を優先する飲食店があってもよいのでしょう。応援したくもなります。
論語に学ぶ
子曰わく、我知る莫(な)きか、と。子貢(しこう)曰わく、何為(なんす)れぞ其れ子を知る莫し、と。子曰わく、天を怨(うら)みず、人を尤(とが)めず、下学(かがく)して上達す。我を知る者は其れ天か、と。(「憲問第十四」35)
「私の価値を知る者はいない」と孔子が云います。子貢は「どうして先生の価値を知る人はいないと言えましょうや」と答えると、孔子は「天や人が悪いのでもない。知識の学習に始まり、道徳の修養にまで至り、最善を尽くしてきた。私のことを最もよく知っているのは、天であろうぞ」と語ったといいます。
「下学して上達す」、身近なところから学び、目前のことにコツコツ励むことで、その結果は一歩一歩向上し、やがて高遠な学理に達する、これを天意と心得る。
その重要性を孔子は説いたのでしょう。それはまた何をおいても言えることなのかもしれません。
目の前のできることをおろそかにせずにコツコツと続けていけば、天もまたそれを理解してくれるのだろう。サイゼリヤもまたそんな思いを抱いて続けているのでしょうか。
ポイント経済圏競争が激化しています。PayPayがQRコード決済で独走し、競合が巻き返しを図ることに躍起になっているようです。
楽天 ポイント還元率引き上げ新戦略 ポイント経済圏競争激化 | NHK | IT・ネット
業績悪化が続く楽天が、夏の期間、ポイント還元率を3倍に引き上げるそうです。
ポイント付与はありがたいサービスですが、企業の都合で、成長のために経済圏拡大という不毛な競い合い続けているようにも見えます。
「下学して上達す」、そろそろポイント経済圏も次のステージ、何かしらの進化があってもいいのではないでしょうか。もっと顧客を喜ばすようなことにつなげていくべき様な気がします。
「参考文書」
7月12日(水) 2023年夏のグランドメニュー改定(サイゼリヤ)