新春のテレビで、田原総一朗氏がお笑いジャーナリストのたかまつなな氏に向かって「だったらこの国から出て行け!」と激怒し、「この国に絶望的だったら出て行けばいい」と語ったそうです。
たかまつなな、『朝生』で激論の田原総一朗氏と笑顔 「仲直りしました」 - モデルプレス
番組を視ていませんが、この日は「日本再興」がテーマだったそうです。両氏とも日本を憂い、何とかしたいとの思いからの激突だったのでしょうか。
ここ数年、アベノミクス・異次元緩和政策の下で景気が極端に悪化することはなかったようですが、それ以上に悪化した事象が増えていたのかもしれません。問題がおざなりにされてきた現実を知れば知るほどに焦燥感が募り、ついつい激しい口調になってしまったということでしょうか。
まるで冷戦時代に舞い戻るかのように米中対立が激化し、いよいよ貿易にも影響がでるような事態になりそうです。行き過ぎたインフレを退治しようとするあまりに世界経済は景気後退の瀬戸際にあります。
一方、円の下落で、日本経済の弱さが指摘されています。良くも悪くも強きリーダーが存在したことで維持できていた評価も、亡き後では期待、ポテンシャルも失せ、真の姿、その実力が露呈したということなのかもしれません。
普及進まない5G、世界から引き離されるハイテク
日本のお家芸だったハイテク分野の衰退が明らかになっています。
「日本のモバイルネットワークが、世界に出遅れるのを見るのは初めてだ」、スウェーデンの通信機器大手エリクソンの日本法人の社長を務めるルカ・オルシニ氏が警鐘を鳴らしているそうです。
地盤沈下が進む日本の5G、エリクソン日本法人社長が語る処方箋 | 日経クロステック(xTECH)
5Gの普及で世界から出遅れ、また基地局に使用される設備が旧式なものが多く、最新設備への更新が進んでいないともいいます。通信速度も韓国や中国、台湾と比較しても見劣りする状況になっているそうです。
技術開発の衰退も嘆かわしいことですが、重要インフラでも世界から置いていかれることは由々しき事態ではないでしょうか。いよいよ深刻な事態になってきているように思えてなりません。
論語に学ぶ
富 求む可(べ)くんば、執鞭(しつべん)の士と雖(いえど)も、吾も亦(また)之を為さん。如(も)し求む可からずんば、吾が好む所に従わん。(「述而第七」11)
どんと儲かることができるものならば、通行者の整理のような仕事であろうと、私はそれをしよう。しかし、それによって特段儲かるような仕事でないのならば、貧乏を覚悟で自分の好きな道に没頭して暮らしたいと意味します。
稼げてあたり前なのに、そうできないのであれば、好きなことに没頭するということは合理的なことなのかもしれません。
まともな暮らしも維持できないような給与で酷使されていてはたまりません。その状況では健全な精神さえも維持するのが厳しくなりそうです。こういう状況が長く続いているのではないでしょうか。
営利を求める企業には、もっと正々堂々と真面目に金儲けをするとの気概が求められているのかもしれません。
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しかし、現実には根深い諸々な問題がありそうな気がします。
「因循姑息」、旧例やこれまで習慣に頼らず、その場しのぎの対応から脱するときが来ているようです。もう強きリーダーはいなくなってしまったのだから。
「参考文書」
2028年末に5G加入は50億件、FWAは3億接続へ:エリクソンのモビリティレポート(2/2 ページ) - EE Times Japan