「論語を現代に活かす」 時代を超えて読まれた名著

未来はすべて次なる世代のためにある

強国を目指す中国、固定化しそうな分断、「ゼロチャイナ」はありなのか

 

 隣の国中国で共産党大会が開幕し、習近平総書記が活動報告し、異例の3期目続投を決める見通しといいます。力をつけているだけに気になる存在です。

 国家ビジョンが明確で、その目的達成のために強かに、そして確実に進めていく国なのでしょう。悪く言えば、手段を選ばないところもあるのかもしれません。そう思えば、恐い存在で、手強い相手ということになるのでしょうか。

 そうした相手には、常識的に考えれば、対峙・対立を求めずなのでしょう。まともにぶつかりあえば、とんでもないとばっちりを食らいそうです。目の前にある大きな壁にボールを勢いよくぶつければ、そのまま跳ね返ってくるようなものなのでしょう。時に、それで自分が怪我をしてしまうことがあるのかもしれません。冷静が求められています。

 

 

 習主席は「強国」建設への意欲を前面に出したそうです。国際的に優位にたてる「製造強国」を目指しているといいます。中長期的な世界の分断をにらみ、海外に依存しない先端技術の開発や高度人材の育成を急ぐといいます。

中国共産党大会 習近平氏、世界分断にらみ「強国」急ぐ: 日本経済新聞

 台湾問題について、米国などには厳しい姿勢を示すが、台湾の人々を取り込む思惑もみせたそうです。武力行使を選択肢としつつ「対象は外部勢力からの干渉と、ごく少数の『台湾独立』分裂勢力およびその活動であり、決して広範囲な台湾同胞に向けたものではない」と強調したといいます。

 一方、「強国が弱国を虐げ、だまし取り強奪する」覇権主義により、人類が「かつてない試練」に直面しているとの認識を示したといいます。中国は「平和外交」を一貫しており、「事柄自体の是非に基づき立場や政策を定める」と主張したそうです。

 こうしたことから、自らの論理を貫く構えをみせていると記事は指摘しています。

 大国が各々に自己主張を強めるばかりです。こうしたことで生じる分断化に巻き込まれることは賢明な選択とは言えそうにありません。

論語に学ぶ

能(よ)く礼譲を以て国を為(おさ)めん。何か有らん。礼譲を以て国を為むる能(あた)わずんば、礼を如何せん。(「里仁第四」13)

 礼、人間社会の規範、そして、謙譲の精神、これによって政治を行ってみよ。困難があるだろうか。規範・謙譲をもって政治を行うことができなかったならば、礼があっても何の役にも立てないと意味します。

dsupplying.hatenadiary.jp

 何事にも力が優先するような風潮が世界で強まっているのでしょうか。そんな力に対抗できるのが礼ではないでしょうか。

 礼の目的は、精神を陶冶することであるとし、心静かに座っているときに、凶悪な暴漢さえ手出しを控えるほどに心を錬磨することにあるといいます。

 

 

 部品など中国から日本への輸入の8割(約1兆4000億円)が2カ月間途絶すると、家電や車、樹脂はもちろん、衣料品や食品もつくれなくなる。約53兆円分の生産額が消失する。(出所:日本経済新聞

ゼロチャイナなら国内生産53兆円消失 供給網、中国分離の代償: 日本経済新聞

 冷戦終了後のグローバル化によって、日本と中国との結びつきより一層濃くなったといいます。実際、 輸入総額における中国からの輸入比率は2020年で、日本は26%で、他の国よりも大きいといいます。もしも中国との関係が悪化し、輸入が途絶えるようなことになれば、GDP 年間国内総生産の1割に匹敵する額が吹き飛ぶことになりうるともいいます。

 

 

 隣国同士、仲良くできる方がよいに決まっています。相手を慮った上で、利用されるだけでなく、こちらも上手に利用させていただかなければならないのでしょう。

 力に頼るようになれば、結局弱肉強食で強き者に分があるのでしょう。「窮鼠猫を嚙む」ともいいますが、こちらが窮地に追い込まれてから嚙みつくのではあまり好ましいことではないのでしょう。

 

「参考文書」

習近平氏、台湾統一「必ず実現」 長期政権「公約」に: 日本経済新聞