「論語を現代に活かす」 時代を超えて読まれた名著

未来はすべて次なる世代のためにある

脱炭素の後退なのか、炭素税の導入を見送らなければならない理由があるのだろうか

 

「私たちの世代は先祖から地球を相続したのではなく
子どもたち、またその子どもたちから借りている、託されているのです」。

「それなのに私たちは強欲さで、子どもたち、子孫の未来をめちゃくちゃにしてしまっているのです。恥ずべきことです」。

  COP26に参加したケニアのトビコ環境・森林長官がそう発言したそうです。

ケニア「私たちは地球を借りているのだ」【COP26スピーチ】|TBS NEWS

 心に突き刺さる言葉です。

 さらにその長官は、こう述べたといいます。

「私たちにとって1.5℃目標は単なる数字ではありません。死活問題なのです」。

「今、この瞬間にも、ケニアでは200万人が、干ばつによる飢えに直面しています。 家畜を失い、作物を失い、自然さえも失っています。気候変動に起因する干ばつによってです」。

 何のしがらみがなければ、素直に手を貸せるのかもしれませんが、現実はなかなかそうできていないようです。

 

 

カーボンプライシング導入は見送られるのか

 自民党の宮沢税制調査会長が、令和4年度の税制改正で、「炭素税」の導入についての議論を見送る方針を明かしたといいます。

 前の政権で具体的検討が指示されていた「カーボンプライシング」が一歩後退してしまったのでしょうか。

4年度税制改正で炭素税議論見送り 自民税調会長 - 産経ニュース

 産経新聞によれば、宮沢氏は「炭素税の導入が経済に与える影響を慎重に見ていかなければならない」と指摘、「税だけでなく、社会的な意味で議論できるほど(議論の方向性が)煮詰まっていない」と述べ、現時点で導入の議論を進めるのは時期尚早との考えを示したそうです。

 脱炭素の優先順位を後退させ、成長と分配、まずは企業の成長が優先なのでしょうか。それとも分配原資確保のために、企業内部留保を温存させようとの考えなのでしょうか。

論語の教え

「志士、仁人は、生を求めて以て仁を害(そこ)なう無く、身を殺して以て仁を成す有り」と、論語「衛霊公第十五」9 にあります。

 仁に志す士と、仁徳のある人は、己れの死生を忘れて仁の為に尽そうとする。故に生命を得る為に仁を害することがなく、義の為に身を殺しても仁をなすとの意味と渋沢栄一は解説しています。

dsupplying.hatenadiary.jp

 正直、給付金を頂けたり、給与が増えれば、ありがたいことだと思います。しかし、それが何かを犠牲にしているようなことがあれば、それを手に入れても、あまり気持ちが良いものではありません。

 

 

成長のための下地

 成長させる下地がなければ、苗を育てることはできません。まずは地球環境を整え、社会を整備していくことが成長のために求められているのではないでしょうか。まずは成長の種子を選択して、蒔き育て、そこで実った果実を分与するのが自然なことのような気がします。収穫前の分配はないはずです。

 「自分の為になる人は多いが、人の為になるような人は至って少ない。政府然り、上下両院然り、実業家然りである。誰か一人くらい人の為に立つ者がないか」と栄一はいいます。

 気候危機といわれるようになっています。「仁」なくして、この対策を貫徹できることはないように思われます。もういい加減、このことに気づかなければなりません。