「論語を現代に活かす」 時代を超えて読まれた名著

未来はすべて次なる世代のためにある

USオープン優勝とBLM活動 大坂なおみさんの「仁」を知る

 

 スポーツとは不思議なものである。日常生活ではあまり意識ない国家とか、日本人ということを思い起こさせてくれる。知人でも何でもないのに、なぜか自分とかかわり深いと思い込み、応援して感動してしまう。

 

 大坂なおみさんがUSオープンで優勝した。うれしくかった。実に単純である。

 

 

 その大坂さんが話題のようである。称賛がある一方で批判もあるようだ。

「確固たる信念を行動に移した姿に感動した」と話す女性の声を共同通信が紹介する。 

「『人種や考え方が違っても同じ人間だから差別は駄目』というメッセージが若い世代に浸透する良いきっかけを作ってくれた。政治的なことに声を上げてもいいという文化がスポーツ界にも生まれてほしい」と期待した。 (出所:共同通信

 

this.kiji.is

 

 こうした声の裏腹が批判につながるのだろう。スポーツに政治を持ち込むなとか云々。

 

 ロイターは、テニス界のパイオニア、ビリー・ジーン・キング氏が、人種差別に抗議する大坂なおみさんを称賛していると伝える。

同氏は「今週の彼女の行動は変化への起爆剤となる」とし、大坂の行動をたたえた。大坂は「警察官による黒人に対する度重なる虐殺行為は見ていて気分が悪い」とツイートしている。 (出所:ロイター)

 

jp.reuters.com

 

  50年以上前から、モハメド・アリら数々のアスリートたちがそれぞれのスポーツを通じて、人種差別撲滅に向けて抗議行動を起こしていた。キング師は、そのことを踏まえつつ、「そのバトンをなおみが両手で受け取った。これは慈悲深さ、強さとリーダーシップの表れだ」と述べたとロイターが伝える。

 

  同じテニス界で、元世界1位のクリス・エバート氏は、昨年のUSオープンの3回戦に勝ち、敗者とともにオンコートインタビューに立ったときの大坂なおみさんのふるまいを称える。

 

ラケットを片付けようとしている彼女(コリ・ガウフ)のもとに近寄ると、オンコートのインタビューをいっしょに受けようと誘った。

「人前で泣くのは好きじゃないし、どうしたらいいかわからない」と最初は断っていたガウフだが、説得されてマイクの前に立ち、泣きながらも自分の声をファンに届けた。

試合中は相手を最大の敵とし、終われば親友としてふるまえる。それが真のアスリートだと思う。なおみはそれを示してくれた」 ガウフはあとでそう語っている。 (出所:Number Web)

 

 捨て身で必死に向かってくる15歳のガウフに自身と重なるものでも見たのだろうか。

「負けて、泣いて、記者会見。それはけっこう辛いこと。ココ(ガウフ)の年を考えたとき、彼女のためにも彼女を見に来た多くの人たちのためにも、先にここで直接話をするのがいいんじゃないかと思った」、と試合後に大坂さんがそう語ったとNumber Webは紹介する。

 

フェデラーは「いいシーンだった。ふたりがそれぞれ個性をよく表していたと思う。あれこそがテニスだよね」と感想を述べた。 (出所:Number Web)

 

number.bunshun.jp

 

スポーツマンシップの本質は敬意であり、やさしさだろう」とNumber Webはいう。

大坂のそれは勝負の世界の常識を突き抜けるほどピュアで、ある意味頑固だっ」と指摘する。

 

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 はたして大坂さんの行動は、批判の対象となるようなものなのだろうか。

 

人の過つや、各々其の党に於いてす。過つを観れば、斯ち仁を知る。

 

 大坂さん自身が認知しているかはわからないが、大坂さんの行動に「仁」を見たような気がした。

 

dsupplying.hatenadiary.jp