子曰わく、中庸の徳為る、其れ至れるかな。民 鮮(すく)なきこと久し。(「雍也第六」29)
(解説)
「孔子の教え。道徳における中庸の位置は、この上ないものだ。しかし、人々は中庸を欠いて久しい。」(論語 加地伸行)
とかく尖がることが求められる時代なのかもしれないが、こうした時代にあっては、偏りや極端でないこと、「中庸」であることも、ひとつの個性になるのかもしれない。
昨今のSDGsの動きでは、「中庸の徳」が求められているのかもしれない。
「中」は偏らず、過ぎたると及ばざるとのないこと。
「庸」は平常、あたりまえで変わらないこと。
儒教では忌憚のない直情径行を夷狄(いてき)の風としていやしみ、俗をおどろかすような(社会において突出するような)行為をきらって、庸徳庸行を尊ぶ。(出所:コトバンク)
「中庸の徳」は、東洋、西洋の区別なく倫理学の主要な概念の一つと言われる。
アリストテレスの倫理学では、徳の中心になる概念で、「過大」と「過小」の両極端を悪徳とする。徳は正しい中間(中庸)を発見してこれを選ぶことにあるとしたという(引用:コトバンク)。
(参考文献)