「論語を現代に活かす」 時代を超えて読まれた名著

未来はすべて次なる世代のためにある

止まらない円安、下げる株価

 円安が続いています。これまでは円安の効果を是認したきたのでしょうが、さすがに度が過ぎればいつまでも許容することはできないということなのでしょう。産業界からも是正を求める声が出て、政府も口先介入に続き、G7やG20などの国際会議の場を利用して国際協調の枠組みによる円安阻止に活路を見出そうとしているようです。

国際協調でドル高円安に歯止めがかかるか:G7声明に為替の文言が盛り込まれる|2024年 | 木内登英のGlobal Economy & Policy Insight | 野村総合研究所(NRI)

 しかし、円安を是認するような政府施策が変わることはなく、円高に転じさせるような改革の原動力はなそうです。当面は為替介入があるかないかで注目されるのでしょうが、それも一時しのぎでしかなく、トレンドを変えるほどのものにもならないのでしょう。

 

 

 日本株も足元では3万8千円を切るなど急落して悲観的な見方がでそうです。しかし、一方でまだその魅力は失われておらず、一段高が期待できるとの意見もあるようです。

訂正(17日配信記事) 日本株、なお魅力的な投資対象 年初来の株高でも=市場関係者 | ロイター

それでもなお日本のコーポレート・ガバナンスの改善に支えられた収益やマクロ的なファンダメンタルズ(基礎的条件)が引き続き楽観的な見方を支援している。(出所:ロイター)

 何を為すべきかが割とはっきりしており、そのポテンシャルも読みやすいということのようです。マインドセットを新たにして改革を推進できるかにかかっていそうです。

終わりなき改革

 コーポレートガバナンス企業統治)の改革に終わりはなく、企業の継続的な努力が必要との認識を、東京証券取引所を傘下に持つJPX 日本取引所グループの山道CEOが示したそうです。

企業統治改革はエンドレス、情報開示の「質」向上必要-JPX山道氏 - Bloomberg

 JPXが企業に改革を促し、それが目に見える形となっての株価高との見方もあるのでしょう。今後は各社取締役会での議論の質が高まるなど実質的な改善内容に焦点が移ると、山道CEOはみているといいます。

 ここまでは大企業を中心して改革が進んできたといわれます。この先はそれ以外の企業においても改革が進むのかにかかっていそうです。大企業に比し株価がさえない新興企業の改革は待ったなしのようです。

 

 

論語に学ぶ

子 顔淵を謂う。曰わく、惜しいかな。吾 其の進むを見るも、未だ其の止むを見ざりき、と。(「子罕第九」21)

 孔子が弟子の顔淵ついて回想しました。惜しいことであった。彼の進歩、努力はいつも見ていたが、立ち止まること、怠惰を見ることがなかったと、孔子はいいました。

dsupplying.hatenadiary.jp

 欲に走って迷いを生じさせては、白黒をつけよりしたり、結論を急いだりしてしまう。一見、効率的なことのように見えるが、実はかえって手間がかかったり、道を間違えたりで非効率に陥るの関の山なのかもしれない。ただひたすらに進歩を求め、学んでは熱心に取り組みさえすればいいはずなのになかなかそうできない。人間の弱さなのかもしれません。

 これまでなかなか経済が上向かったのはこんなところに原因がありそうな気がします。

 今になって過去を振り返れば、うまくいかなかった理由を見つけることはできます。あの頃も必死だった.... でも足らないものもあった、それだけのことなのかもしれません。向上心、進歩しようとするマインドがもっと強ければ、もっと早く改革、改善に着手できたのかもしれない。転換点といわれる今、何をやっているのかといえば結局、進歩を求めて改革を進めているのですから。

 政治改革が進みそうにありません。まるで進歩を拒んでいるかのようです。これがすべての元凶になっているような気もします。物事がしだいによりよいほうや望ましいほうへ進めていくことを「進歩」と呼ぶのですから。不要な対立をしている時ではないのでしょう。