「論語を現代に活かす」 時代を超えて読まれた名著

未来はすべて次なる世代のためにある

潮目が変わった日本経済、変えていくべきもの、変わっていくもの

 変化の激しい時代といわれています。世の中をみればそういわざるを得ないのかもしれません。安定は長く続かず、変化しまた変化していくというものなのでしょう。加えて、変化のスピードが早まってそうです。変化の波に取り残されてしまわないかと思えば不安は募ります。しかし、歴史を振り返ればやはり変化の連続で、その変化が文明の発展を促してきたのではないかとも思えます。文明が発展し、さらに変化の速度が増したのでしょう。今も昔も人はそれに合わせて意識を変えていくことを求められているということなのでしょう。

 

 

 日銀がマイナス金利を解除させ、異次元緩和策を転換させました。これもまた変化のひとつで、この先に何が起きるのだろうかと不安を感じさせ、さらに追加利上げといわれればなおさらです。

7月以降はいつでも利上げ?「植田日銀の常在戦場」 | 太田智之の「ホンマ」の経済 | 太田智之 | 毎日新聞「経済プレミア」

「常在戦場」、いつ金利が上がるかわからない環境下ではそんな意識が求められるといいます。「金利はあがらない」、ぬるま湯経済にすっかり慣れきってしまい、そこから意識を変えていくために、そんな勇ましい言葉、ちょっと過激な言葉も必要なのかもしれません。

  それ以前のごく当たり前だった経済活動に回帰するだけではないでしょうか。そんなに不安に駆られることなく、過去を学べばそれなりの対処の方法を見出せるのではないでしょうか。世界をまたそうしているように思われます。

野心、アニマルスピリッツ

 産業界ではアニマルスピリッツを求める声が上がっているようです。世界の野心家たちは、チャンスを窺い、ここぞというときに一気呵成の動きをみせます。GAFAMに加えテスラやエヌビディア、神7が誕生したのはそうした心構えがあってのことと見えるからでしょうか。

[社説]国産旅客機開発に欠かせぬ企業の野心 - 日本経済新聞

 三菱重工の国産ジェット旅客機計画が頓挫し、経済産業省が「完成機事業への参画が不可欠であり、これを目標として掲げるべき」との報告書をまとめ、再挑戦すべきだという議論が出てきたそうです。

航空機産業を育成するには十年単位の長期視点と、関連産業をまとめる強力なリーダーシップが不可欠だ。いくら政府が青写真を描いても、実行主体となる企業のアニマルスピリッツ(野心)がなければ絵に描いた餅に過ぎない。(出所:日本経済新聞

「問題は現実的に担い手がいるのかどうかだろう」と記事は指摘します。

 経産省主導の計画上で、アニマルスピリッツを発揮できるのでしょうか。仮に手を挙げても、頓挫が繰り返えされそうです。国が変化して主導をやめれば、自然とアニマルスピリッツも回復、健全な野心家たちが挑戦を始めるような気もします。

「失敗の教訓は未来に生かさなければならない」、国こそ失敗の教訓を活かすべきなのでしょう。変化がなければ未来はないのではないですから。

 

 

論語に学ぶ

述べて作らず、信じて、古(いにしえ)を好む。窃(ひそ)かに我を老彭(ろうほう)に比(なぞら)う。(「述而第七」1)

 前に発表された説をもとにして補い述べることはするが新たに創作することはしない。前の説を信じ好む。心の中で、ひそかに殷代の賢大夫 老彭になぞらえていると、孔子はいいました。

dsupplying.hatenadiary.jp

はて孔子は何をいわんとしているのでしょうか。孔子が信じて好んだ「古」とは刹那的な安定ではなく、変化ということなのかもしれません。孔子が生きた古代中国においても王朝がいく度と生まれ変わり、そのたびに文明が発展し、新しい秩序が生まれる事実を、孔子は過去を学ぶことで知ったのでしょう。孔子は暴君紂によって衰退した殷王朝が武王によって倒され、その弟周公が広めた新しい秩序、規範を好んだというのだから。陳腐化した古きものをアップデートさせ、その時代にあったものへと漸進させる、その重要性を説いているのかもしれません。

 さて長く続いた自民党政治でどれだけ文化・文明は発展したのでしょうか。世界からだいぶ遅れたようです。しかし、ようやく賃金、物価、株価など経済に潮目の変化が現れ、時代の転換点にあるといいます。これをチャンス、機会にできるのでしょうか。

 

 

「参考文書」

日本は「巻き返す15年」になるか?