自民党の裏金問題が連日報道されています。東京地検特捜部の捜査とは別に、各メディアもその事態をあぶり出し、それを世論に投げかけているかのようです。
政治家の資金「二重取り」のズルさ 税金315億円、さらに禁止されたはずの資金源も それでも満足できず裏金か:東京新聞 TOKYO Web
権力を監視し、国民の知る権利にこたえる、ようやくメディアがその使命を回復させようとしているのでしょうか。メディアまでが印象操作するようになれば民主主義の根幹が揺らいでしまいます。不正が横行するようになったことにも、無関係ではないような気がします。
続く企業不正
大企業での不正、不祥事も相次いでいます。分別がなくなり、「正邪」「善悪」の境が曖昧になってしまったのでしょうか。内部告発によるケースも多いようです。理性をもって考えることを放棄しているのかもしれません。
「業者の倫理観欠如」 今月開通予定のトンネル、工事全面やり直しへ…工期は2年か - 産経ニュース
「ずさんな工事状況が確認された。粗雑な工事で遺憾。開通を心待ちにしていた地元の方に申し訳ない」と和歌山県の担当者は述べたそうです。
トンネル工事を請け負ったのは地元の企業といいます。不正行為が大企業ばかりでなく、広がっているのではないかと心配になります。こうしたことをしでかしても、目こぼし、許されるだろうとの風潮が根付きはじめているのでしょうか。
政治改革
自民党の石破元幹事長が、党が窮地にあるとし、政治改革を論議する組織体の構想を年内に表明すべきだとの考えを示したそうです。
石破茂氏、本来の資本主義に戻す 「金利のある世界」必要 - 日本経済新聞
増税については、「きちんと使ってくれるという安心感が政府にあるか」とも指摘したそうです。また、「おかしい」と言えない組織に永続性はない語ったといいます。
論語に学ぶ
小子(しょうし)、何ぞ夫(か)の詩を学ぶ莫(な)きか。詩は以て興こす可(べ)く、以て観る可く、以て羣(ぐん)す可く、以て怨む可し。之を邇(ちか)くしては父に事(つか)え、之を遠くしては君に事え、多く鳥獣草木の名を識(し)る、と。
子 伯魚(はくぎょ)に謂(い)いて曰わく、女(なんじ) 周南(しゅうなん)、召南(しょうなん)を為(おさ)めしか。人にして周南、召南を為めざれば、其れ猶(なお)正に牆(しょう)に面して立つがごとし、と。(「陽貨第十七」8)
「お前たちよ、どうしてかの詩を学ばないでよいものか。詩を朗誦すると、感情を高め、世態を観、人々と共生し、政治を批判することができる。また、近くに引きつけては、父に事える道が、遠くに置いては、主君に事える道が分かるし、動植物など万物の名称も数多く知ることとなる。孔子は子の伯魚に「お前は周南、召南の詩を学んだか。もし、人と生まれて周南、召南の詩を学んだことがないとするならば、それは塀に向かって立ち、どうしようもできない状態と同じことぞ」と言いました。
「周南、召南」とは「詩経」冒頭の篇。この中に、基本的な道徳が述べられているそうです。
「周南」は「関雎」と言う詩から始まり、「周の文王は佳(よ)き配偶者(淑女)をと求めたが、なかなか見つからず憂悶していたが、ついに見出し、夫妻が仲良く暮らした」との内容だといいます。これに続き、「召南」の第一詩は「鵲巣」(カササギの巣)。鵲の巣に、鳩が居候をして、巣を守り子を作ったりしている。鵲と鳩の関係になぞらえながら、自分の家を出、他家へ嫁いでいく娘のことを歌ったものとの解釈があるそうです。
日本経済の地盤沈下が深刻といいます。国の豊かさを映す1人当たりの名目GDP国内総生産が伸び悩み、順位は下落傾向にあるといいます。
先進国の窓際でいいのか 「取り戻す30年」民の力で - 日本経済新聞
「日本は経済面で先進国の窓際族になりかねない。主要7カ国(G7)のメンバーから、肩たたきにあってもおかしくはない。それくらいの危機感を持って、経済を改革する必要がある」と専門家もいっているそうです。
経済がすべてではないにしても、他国と比較してそのトレンドが異なるということは、やはり何かがおかしくなっているといってよさそうな気がします。周囲から邪まな考えを刷り込まれ、その異常に気づけていないのかもしれません。
より良くあろうとの考えだったりするのでしょうか。利己的、自己中心的になってしまうと、そう考えることが難しくなるのではないでしょうか。
ハッピークリスマス!世界が平和でありますように、そして、みんなが幸福でありますように。
「参考文書」
【解説】 日本政治を揺るがす裏金疑惑 岸田政権はどうなるのか - BBCニュース