「論語を現代に活かす」 時代を超えて読まれた名著

未来はすべて次なる世代のためにある

物価高、年収の壁、ちぐはぐな政府の経済対策

 物価高騰が続く中、イオンが、プライベートブランドトップバリュ」シリーズの食用油など31品目を値下げを発表したそうです。値下げ率は数%〜20%程度になるといいます。

イオン、食用油など「トップバリュ」31品目値下げ 全国1万店で - 日本経済新聞

 対象は顧客からの要望の多かった商品が中心で、食用油のほか、トイレットペーパー、カップ麺などになるといいます。小麦や食用油など一部の原材料価格が安定したことに加え、配送形態の見直しといった企業努力を進めるなどして値下げできたといいます。「値上げ疲れ」した消費者の節約志向に応える商品を用意し、競合他社との差別化を図る狙いがあるといいます。

 

 

 一方で、PBを持たない中小のスーパーマーケットは物価高騰に苦しむ状況が続いているようです。商品の仕入れ価格は上昇するけれど、客離れを心配し、価格転嫁に踏み切れないといいます。また、人手不足で人手を確保するためには賃上げも進めていかなくてはなりません。そこに「年収の壁」問題も加わり、問題を複雑化させているようです。大手イオンのように賃上げにも応じ、なおかつ値下げを実現することは至難の業ということなのでしょうか。

経済対策

 首相が新たな経済対策の柱を表明し、賃上げや企業の積極投資で、「冷温経済」から「適温経済」へ、成長と分配の好循環を目指して攻めの経済を目指すようです。早くも自民党幹部からは15~20兆円などとの予算規模が必要との声が上がっています。

 一方、経済対策で需要を刺激すれば、さらに物価高が進むのではないかと危惧されているともいい、その規模に関心が集まっているようです。

 国は課題、問題を掘り起こしては独善的な答えは示しますが、財源不足で増税につながるのではないかとの不安を抱かせます。その上、どれも成果は見えず、逆に新たな問題を引き起こすばかりで、そこにまたおカネを費やすことになっていたのがこれまではないでしょうか。また同じことを繰り返すのではないかと心配になります。

論語に学ぶ

或るひと曰わく、徳を以て怨みに報ゆるには、何如、と。子曰わく、何を以て徳に報いん。直を以て怨みに報い、徳を以て徳に報いん、と。(「憲問第十四」34)

 ある人が「怨みに対して怨みで報復するのではなくて恩恵を与えて解決するというのはいかがでしょうか」と質問しました。孔子は「それなら恩恵に対して、何をもってお返しするのだ。怨みにも恩恵にも、同じお返しになってしまうでないか。正しき心を以て、怨むべきは怨み、憎むべきは憎み、恩恵には恩恵で報いることでよい」と答えました。

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 いまだ政権内では解散総選挙がくすぶり続けているそうです。結局、経済対策も、親切の押し売りのようなもので、人気取りの施策でしかなさそうです。それでは社会のためになることはないのでしょう。

「失われた30年」といわれたのも、こんなことが長く続いていたからではないでしょうか。

 聞く耳が衰えた首相に、選挙を通じて「怨んでいますよ」と素直な気持ちを伝えた方が良いのかもしれません。そうしないと、世の中がますます乱れていきそうな気がします。

 今の首相を見ていると、人格を高めることの大切さを改めて感じます。結局、優れた人格を有していなければ、社会を救済、よくしていくことなどできないのでしょう。

 

 

「参考文書」

食品、一部で値下げの動き 節約志向に対応―イオンとローソン:時事ドットコム