「論語を現代に活かす」 時代を超えて読まれた名著

未来はすべて次なる世代のためにある

【マイナカードトラブル】問題解決できそうにないデジタル庁

 

 街では闇バイトが横行し、若者たちが凶悪事件など犯罪に手を染めるようになっています。18歳の自衛隊候補生が銃を乱射する事件も起き、防衛大臣が謝罪しました。ため息がでるようなニュースが続きます。

 それなのに首相は先日の記者会見でニヤリと笑みを浮かべて解散風を吹かせます。世相が混迷、悪化していくのもわかるような気がします。終わりそうにないマイナンバーカードのトラブルの解決は二の次なのでしょうか。

 また、遠い異国での紛争は終わらず、仲のいい米国では前大統領が37の罪で起訴されると珍事がおこり、でっちあげとか、邪悪な権力の乱用とか口にしているといいます。政治が劣化し機能せず、治安が悪化するのは、世界共通ということなのでしょうか。

 良心、良識を回復さえすれば、安全安心、平和を取り戻すことができそうです。しかし、そうならない現実が歯痒いです。

 

 

  マイナンバーカードにおける稚拙さが気になります。トラブルの多発、関係大臣の謝罪、異常としかいいようのない事態です。

マイナンバーカードのトラブルに透ける、デジタル庁組織の「しんどい」状況 | 日経クロステック(xTECH)

 記事はデジタル庁のプロジェクト制、マトリックス組織の問題を指摘します。

遅れていた日本のデジタル化を推進するためにデジタル庁が苦心してつくってきた、プロジェクト制かつ民間デジタル専門人材を活用する「マトリックス組織」という組織構造自体が、状況をさらに困難にしている「しんどい」状況のようにも見える。(出所:日経クロステック)

 官庁といえども、適正にマネジメントされてはじめて組織として機能するのではないでしょうか。まして、そこには各府省庁だけでなく、地方自治体など多数の行政機関、事業者などが携わっています。それをつなぐのは一体何かのでしょうか。

 

 

企業をはじめとするあらゆる組織が社会の機関である。組織が存在するのは組織自体のためではない。自らの機能を果たすことによって、社会、コミュニティ、個人のニーズを満たすためである。組織は、目的ではなく手段である。したがって問題は、「その組織は何か」ではない。「その組織は何をなすべきか。機能は何か」である。(出所:ダイヤモンドオンライン)

 P・F・ドラッカーの「マネジメント エッセンシャル版――基本と原則」にそう書かれているそうです。さらに、マネジメントには、自らの組織を社会に貢献させる役割があると指摘しているといいます。

 だとすれば、問題の本質は組織体制ではなく、それを機能させるマネジメント不足のように感じます。

【会社は必要?】ドラッカーが語った「組織」の本当の役割 | 定番読書 | ダイヤモンド・オンライン

 ドラッカー学説を誰もが厚く信じ、絶賛されていた時期がありました。この学説を取り入れた様々な管理手法が発達したものです。しかし、こうした学説も時間経過とともに陳腐化し、新しいものへとかわっていくのは自然な流れかもしれません。

 新しさを求めるのであれば、学びもまた求められます。

 多くの問題に直面している今こそ、学びが求められているような気がします。思考を巡らせ、その中から何かを発見し、不足している何か足したり、変えたりしていく必要があるのでしょう。それによって問題が解決すると、それが次の新しさにもなっていくのでしょう。

論語に学ぶ

故(ふる)きを温めて新しきを知る、以って師と為るべし。(「為政第二」11)

 温故知新、古くからの伝えを固守するのではなく、それを現代の火にかけて問い直し、今日的意味を探ると意味します。

dsupplying.hatenadiary.jp

 こうした態度が大切で、それを繰り返すことで、眼前の複雑で混沌とし、私たちにとっても切実な現実を鋭くまた筋道をたててとらえることができるといいます。 

 

 

 ドラッカーは1959年に初めて来日し、健全な日本社会を高く評価し、大きく経済成長すると思ったそうです。それは、日本人の美意識、協力する姿勢、真面目に努力する姿だったといいます。

ドラッカーは、日本社会の健全性を大事にして、捨てないでほしいと言っています。コミュニティーや社会的な連帯感は日本のいちばんの伝統だし、大事にしてほしいと言っていましたね。(出所:東洋経済オンライン)

 今ある問題とこうした古典を上手につなぎ合わせることができれば、新しいアイデアも生まれそうな気がします。

 

「参考文書」

ドラッカーが日本に遺した「希望のメッセージ」 「人口問題」は社会的イノベーションの大好機 | リーダーシップ・教養・資格・スキル | 東洋経済オンライン