埼玉県戸田市の中学校に高校生が侵入し、男性教員を切りつけるショッキングな事件がまた起きました。調べが進むにつれ、動機や関連する事件が明らかになっています。人を傷つける事件が常態化していくことが心配になります。
安全な国といわれていましたが、少しずつ治安が悪い方向に向かっているのでしょうか。
法の支配
林外相がインドで開幕されたG20外相会合を欠席したそうです。日本の外相がG20会合に出ないのは2017年に定例開催となってから初めてのことだったといいます。国会での慣例を優先したことが理由のようです。
林芳正外務大臣がG20欠席、外交より国会慣例 答弁は53秒のみ - 日本経済新聞
外相のG20会合欠席には政府・与党の調整不足という指摘もある。インドは2022年末には日本へ日程を伝えていた。参院の基本的質疑と重ならないよう国会召集日や衆院での審議のスケジュールをあらかじめ調整する余地はあった。(出所:日本経済新聞)
マネジメント不足というところでしょうか。国会で答弁を求められた首相や閣僚は国会に「出席しなければならない」との憲法規定はあるそうですが、基本的質疑への閣僚出席に関しては法的根拠はないそうです。
日本はG7議長国として「法の支配」の重要性を、G20の場で呼びかける役割も期待されていたと記事は指摘し、外交トップを出さなかったことで国際的な信頼の揺らぎにもつながりかねないともいいます。
自覚のなさ、責任感の欠如というところなのでしょうか。「法の支配」の限界を自ら証明することになりはしないでしょうか。
論語に学ぶ
之を道(みちび)くに政を以てし、之を斉(ととの)うるに刑を以てすれば、民免(まねか)れて恥無し。之を道くに徳を以てし、之を斉うるに礼を以てすれば、恥有りて且つ格(ただ)し。(「為政第二」3)
行政を法制のみに依ったり、治安に刑罰のみを用いたりするのでは、民はその法制や刑罰にひっかかりさえしなければ何をしても大丈夫だとして、そのように振舞ってなんの恥ずるところもない。しかし、その逆に、行政を道徳に基づき、治安に世の規範を第一とすれば、心から不善を恥じて正しくなると意味します。
「法の支配」を否定する気はありませんが、その限界を示すような出来事や事件が増えていないでしょうか。
頑なにそれを守り、維持できているのであれば、今とは異なる社会になっているような気もします。
最高の法規として憲法が存在し、その憲法は人権を保障しています。
「誰もが生まれながらにして持っている、人間として幸せに生きていくための権利」を人権といいます。
しかし、現実はどうなのだろうかと疑えるようなことが増えていないでしょうか。
丸川珠代氏「愚か者めが」発言で反省の意 自民党の当時の少子化政策は反省対象でないと強調 - 社会 : 日刊スポーツ
その人格が疑われるような言動が取れるのも、法に支配されることなく、自分たちの願望を実現したいがために、「法の支配」を盾にするからなのでしょう。
こうした政治的権力者たちの目に、この社会はどう映っているのでしょうか。