連日のように報道される痛々しい事件、おぞましい出来事、不正、迷走する政治、止まらぬ円安。この国の未来が心配になります。
五輪汚職、パーク24を捜索 大会スポンサー、関係先 ｜ 共同通信
箍が外れたかのように次々と不正の疑いが明るみになっています。五輪組織委員会の運営能力を疑いたくなります。
ブラジルでスーパーマリオにふんした首相が登場し、コロナ禍で無理して開催した東京オリンピックとは一体何であったのでしょうか。私利私欲の巣窟だったということなのでしょうか。
地検特捜部による全体像解明に頼るしかないのでしょうが、問題があるのなら潔く自ら手を挙げてもらいたいものです。
一方で、問題発言で辞任した人の功績をたたえる動きもあるそうです。
森喜朗氏胸像建立で募金集め 橋本聖子氏ら発起人「偉大な功績顕彰」：朝日新聞デジタル
「偉大な功績」、その評価基準は何なのでしょうか。こんな風習が続くようになれば、何でもありの国になってしまいそうです。
福岡の日本語学校で恐ろしい事件があったようです。出入国在留管理庁はこの学校に対して、日本語学校として認める告示を抹消する処分を行ったといいます。
“留学生を鎖で拘束” 日本語学校の告示抹消 出入国在留管理庁 | NHK | 外国人材
NHKによれば、学校側は職員がやったことで学校が処分されることは不服と話しているそうです。
信じ難いことです。
何故にこのようなことばかりが起こるようになってしまったのでしょうか。
論語に学ぶ
之を道（みちび）くに政を以てし、之を斉（ととの）うるに刑を以てすれば、民免（まねか）れて恥無し。之を道くに徳を以てし、之を斉うるに礼を以てすれば、恥有りて且つ格（ただ）し。（「為政第二」3）
行政を法制のみに頼ったり、治安に刑罰のみを用いたりすれば、民はその法制や刑罰にひっかかりさえしなければ何をしても大丈夫だとなり、そのようになっても「恥」と感じなくなる。しかし、その逆に、行政を徳を以て行い、治安に礼、規範をもってすれば、民は心から不善を恥じて正しくなると意味します。
政府の面々だけでなく、官僚までが法には触れていないと言い訳するようになれば、世間もまたそのようになっていくということなのでしょうか。
民法には、公序良俗について触れ、90条では、これに反する内容の法律行為は無効とされる旨を規定しているといいます。
「公序良俗」とは、公の秩序と善良な風俗のこと。社会的な妥当性が認められる道徳観のことを意味します。
自民党の麻生副総裁が8月末、派閥の研修会で、台湾有事に言及し、「戦争が起きる可能性は十分に考えられる」と述べたといいます。
戦争の可能性を煽り、軍拡を進めようとしているのではないかとの見方を示します。
麻生発言のように「戦争になる」ことから逆算する「手口」｜ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト
記事は、「外敵」の存在を強調するのは、政治家が求心力を回復しようとするときの最も古典的な方法と指摘、麻生発言を批判します。隣国に攻撃をしかけるどこかの国の大統領と同じということでしょうか。
「外敵」を作るのはナチスの手口
「国民はつねに、その指導者のいいなりになるよう仕向けられます。国民にむかって、われわれは攻撃されかかっているのだと煽り、平和主義者に対しては、愛国心が欠けていると非難すればよいのです。このやり方はどんな国でも有効ですよ。」（ジョゼフ・E.パーシコ、白幡憲之訳『ニュルンベルク軍事裁判 下』原書房、2003年、171頁）（出所：Newsweek）
政治においても何を信条にしようとその自由は保障されているのでしょう。選挙支援が得られるからといって特定団体と懇意になることも許されるのでしょう。
そうだからいって、国民を苦しめることは断じて許されることではありません。
岸田首相が国会で今日、国葬について説明するそうです。また、自民党は問題視される宗教団体との関わりについての自主点検の結果を公表するといいます。
旧統一教会側との関係は世襲なのか 細田、岸田、中曽根、宇野…父や祖父も接点の疑い 党の点検は十分？：東京新聞 TOKYO Web
東京新聞によれば、教団を追い続けてきたジャーナリストの鈴木氏は、「深い関係を続け、周囲に影響を与えてきたのは安倍派を中心とした有力議員ら。毅然とした態度でそこに切り込むべきだ」と訴え、弁護士の紀藤氏は「もはや党内の規律の話ではない。制度が求められている。問題がある団体が政治家に働きかけるロビー活動を規制する法整備が必要だ」と訴えているそうです。国会が正しく機能して欲しいものです。
ひとつの事件をきっかけにして、衝撃的なことが次々と明るみになりました。これまでに欺いていたことはないのでしょうか。
自主点検が終わったなら速やかに、国民に信を問うのが筋ではないでしょうか。このままで国民の負託に応えられるのでしょうか。
