日本の建機メーカが中国で腐心しているそうです。中国国内の需要が急減し、現地の余剰生産能力の解消が課題になっているといいます。伸び行く国の成長に期待し進出しても、成長が翳れば、撤退を検討せざるを得ません。
建機メーカーが中国依存の怖さを学んだ二つのショック経験|ニュースイッチ by 日刊工業新聞社
2度のショック経験を通じて日本メーカーは中国市場に依存することの怖さと、もろさを学んだ。各社とも現在は中国比率の引き下げに腐心している。22年度の売上高でコマツの中国比率は3%。日立建機も3%の予想だ。中国市場がこの先さらに落ち込んでも北米や中南米、アジアの伸びがあれば十二分にカバーできる。(出所:ニュースイッチ)
地政学リスクが存在しロシアの事例も考慮すれば、撤退もやむなしなのでしょう。
一方、ローソンは中国でコンビニエンスストアの出店拡大を続けているといいます。現在5000超ある店舗数を2025年には1万店に増やす目標を掲げているそうです。
ローソン、中国・広州市に初出店 コンビニ拡大続く: 日本経済新聞
中国華南地域の発展に伴い消費者のライフサイクルが変化しコンビニの需要が高まっていることが理由といいます。リスクはないのでしょうか。
防衛費増額
政府が防衛費増額を議論する有識者会議の初会合を開いたといいます。首相は「政府全体の資源と能力を総合的かつ効率的に活用した防衛体制の強化を検討する」と強調したといいます。防衛省の所管に限っていた防衛関係予算の枠組みを広げるといいます。
省庁横断「国防費」提言へ 首相「政府全体の能力活用」: 日本経済新聞
仮想敵国を作って、リスクが高まっているといって、単純に増額するとの議論には疑問を感じます。
確かに年々国境の緊張感は高まり、日本海に度々ミサイルが落下するようになったのかもしれません。
なぜ緊張感がこうまで高まるのでしょうか。仮想敵国、相手の問題だけなのでしょうか。緊張をあおって、税金を投入して、防衛費増額では理にかないません。
所得税やたばこ税、酒税なども候補となる。所得税は物価高で家計負担が増しており、増税は許容されないとの指摘がある。たばこ税や酒税はもともとの税収規模が小さく、増税してえられる税収にかぎりがある。(出所:日本経済新聞)
有識者会議では、「経済力や財政基盤がしっかりしなければ防衛力も持続的に強化できない」とのごもっとな意見があったといいます。防衛費を増額できるほど、余力がないのが実情なのでしょう。
物価高騰に苦しみ始めているこの時期に、財源もない防衛費増額を議論しようとするセンスを疑います。素直に現状を受け入れ、今何を為すべきかを真剣に検討することの方が遥かに優先度が高いのでしょう。
金もないのに安易に増税や国債発行を企てるようであれば、戦前に舞い戻るようで恐怖でしかなりません。歴史を学んでいないようです。
論語に学ぶ
道同じからざれば、相(あい)為に謀(はか)らず。(「衛霊公第十五」40)
進む道が同じでないから、たがいに心を割って話し合うことはしないと意味します。
極めて単純なことではないでしょうか。どこかで吹き込まれたイデオロギー基軸で考えるから、道が異なることになってしまうのでしょう。そうした状態を作って緊張感を高めるのはいかがなものかと感じます。相手も勘づくはずです。その論理をこころよいものとは感じず、さらに強硬に対抗してくるのではないでしょうか。
両国民の安寧と平和、発展を第一とすれば、話し合わなければならないことが多々あるはずです。それが喫緊の課題なのではないでしょうか。