「論語を現代に活かす」 時代を超えて読まれた名著

未来はすべて次なる世代のためにある

【円安の影響がこんなところにも】問題解決できずに錆つく日本

 

 円安が一段と進んでいます。黒田日銀総裁が岸田首相と面談し、「急激な為替レートの変動は好ましくなく」と発言し、円が多少値を戻したようです。今後の円の動きと、政府・日銀の対応はどうなっていくのでしょうか。

 一方、村井宮城県知事がベトナム訪問し、宮城県内での実習を呼びかけたそうです。

宮城 村井知事 介護人材求めてベトナムを訪問 | NHK

 宮城県では、高齢化が進むなか2040年度に介護人材が1万3700人余り不足すると予測されているといいます。

 村井知事は「これから人口減少が急激に進む中、介護などの人材が間違いなく足りなくなる。提携して今後の人材不足を補いたい」と話したそうです。

 ベトナムは、日本に最も多くの技能実習生を送り出している国のひとつです。ただ、円がベトナムの通貨ドンに対しても値下がりし、技能実習生の収入がドンベースにすると実質的に減り、実習先を台湾などに変更する動きがあるといいます。人材確保がより困難になるとの課題があるといいます。

 日本の高齢化はこれからますます進むというのに、介護人材の不足懸念ばかりがどんどんと高まりそうです。円安がこの問題解決をさらに困難にしていくのでしょうか。

 

 

  円安は、オフショア開発にも影響を及ぼしているようです。オフショア先の新興国システムエンジニアの賃金が上昇するのに、日本の賃金上昇はそれを下回ります。そこに円安が加わり、逆転現象が起きているといいます。

円安でSE賃金が「日中逆転」、オフショア開発の価格に転嫁へ | 日経クロステック(xTECH)

「日中逆転」、こうした事態に陥っても、国内回帰は困難といいます。日本ではIT人材が不足しているためで、オフショア開発から脱却できないといいます。このコスト増は価格に転嫁せざるを得ず、こうした動きが一部でみられるといいます。

論語に学ぶ

觚(こ)觚ならず。觚ならんや、觚ならんや。(「雍也第六」25)。

 觚とは、酒杯のことで、正式なものは飲み口が円ではなくて、六つの稜をもつ六角であったといいます。しかし、近ごろの觚は、正式の觚ではなく、孔子は「これが觚なのか」と嘆いたといいます。

dsupplying.hatenadiary.jp

 六角の觚には礼儀を節目ごとに忘れず、また乱酔するなという暗示であったといいます。しかし、六角に作るのが面倒ということもあり、正式の形の製品がなくなっていったそうです。それでは、名実の不一致、形式と内容の不一致になる。それを孔子が嘆じたといいます。

 

 

「円安」「人材不足」......今すぐに解決しなければならない問題、課題が多数ありそうです。それは多岐にわたっています。しかし一向に改善される気配はなく、放置されているようにさえ見えてしまいます。それなのに外交関係を悪化させ緊張感を高めては防衛費増額といいます。防衛費の増額がほんとうに喫緊の課題なのでしょうか。

 税金が正しく使われていないとますます感じます。

 北海道知床半島沖で発生した観光船の沈没事故から4か月が過ぎました。ロシアで発見された乗船者とみられる遺体の引取りがようやく実現しました。遺体を引き取った海上保安庁の巡視船「つがる」が北海道の小樽港に到着したとニュースが報じています。

 ニュースに映る巡視船の船体の錆が気になりました。遺体を引き取りに他国に行くというのに、こんな船を使うのかと感じます。

 

 

 日本という国がこの巡視船のように錆びついているのかもしれない..... 定期メンテすらろくにできない。解決すべき問題、課題が明確になっても、何一つ改善できずに、錆が進行するかのようにますます悪化していく。

 これでは政治不信が募ります。一体、今の政府はこの国を度の方向に導きたいのだろうかと考え込んでしまいます。

 案外、政策を180度転回するだけで、良い方向に向かったりするのかもしれません。人権重視、脱成長、こうしたことをビジョンに掲げ、名実一致するようにすればいいのではないでしょうか。そうするだけで、思いがけない好結果を得ることができるのかもしれません。

 

「参考文書」

再送為替の急激な変動好ましくない、今後とも十分注視=黒田日銀総裁 | ロイター

サハリン・国後島で見つかった男女3人の遺体、小樽港到着…海保「できるだけ早くご家族の元に」 : 読売新聞オンライン