「論語を現代に活かす」 時代を超えて読まれた名著

未来はすべて次なる世代のためにある

【桓公 諸侯を九合するに、兵車を以てせざるは、管仲の力なり。其の仁に如かんや 】 Vol.350

 

子路(しろ)が曰わく、桓公(かんこう) 公子糾(こうしきゅう)を殺す。召忽(しょうこつ)之に死し、管仲(かんちゅう)は死せず。曰わく、未だ仁ならざるか、と。子曰わく、桓公 諸侯を九合(きゅうごう)するに、兵車(へいしゃ)を以てせざるは、管仲の力なり。其の仁に如(し)かんや、其の仁に如かんや、と。(「憲問第十四」16)

 

  (解説)

子路が言った。「桓公は公子糾を殺しました。召忽は死にましたものの、管仲は生き残りました。立派な人格ではありますまい」と。孔子は言った。「桓公が諸侯を集めて会盟したとき、武力を用いなかったのは、宰相の管仲の力量に依る。その立派さに及ぼない、及ぼない」と。論語 加地伸行

 

 斉の国で君主の地位をめぐる争いがあり、「公子糾」はそのひとりであったという。この「公子糾」の介添役が「召忽」と「管仲」であった。「召忽」は「公子糾」に殉じ、死ぬ。「管仲」は生き、「桓公」の宰相になる。

 乱れ争っていた諸国を平和な会盟にまで持ち込めたのは「管仲」の見識と力量による。

 主君に殉じ死んだ「召忽」も「仁」ではあるが、天下国家のためとする「管仲」のそれには及ばないと孔子は言ったのである。

 

 「関連文書」

dsupplying.hatenadiary.jp

dsupplying.hatenadiary.jp

  

 (参考文献)  

論語 増補版 (講談社学術文庫)

論語 増補版 (講談社学術文庫)

 
論語 (ちくま文庫)

論語 (ちくま文庫)

  • 作者:桑原 武夫
  • 発売日: 1985/12/01
  • メディア: 文庫