子曰わく、人の己を知らざるを患(うれ)えず。其の不能を患うるのみ。(「憲問第十四」30)
(解説)
孔子の教え。「他者が己の能力、力量を知らないからといって不満を抱くな。自分はまだまだ力不足であることに心をいたすことだ」。(論語 加地伸行)
同じ内容が、この他にも「学而第一」16、「里仁第四」14、「衛霊公第十五」19に登場するという。孔子の気持ちの深さがあるという朱子のことばを加地が紹介する。
「学而第一」1の「人 知らずして怒らず慍らず」や、「憲問第十四」35の「我を知る莫きか」も同じ意味といわれる。
(参考文献)