子曰わく、位無きを患えず。立つ所以を患う。己を知る莫（な）きを患えず。知る可（べ）きを為さんことを求む。（「里仁第四」14）
（解説）
「己の活躍する地位がないといって嘆かない。己が世に出るだけの理由を反省する。己を知る人がいないといって嘆かない。こちらが知るべきことをなすようでありたい。」（論語 加地伸行）
同じ内容で、「人の己を知らざるを患えず。人を知らざるを患う」（「学而第一」16）がある。
「憲問第十四」30にも同じ内容がある。
「人の己を知らざるを患えず。其の不能を患うるのみ」。
「衛霊公第十五」19にも同じ内容が出てくる。
君子は能（よ）くする無きを病（や）む。人の己を知らざるを病まず。
自己を知り、自己研鑽に努めることが求められる。
10月末、あのタイガーウッズが来日、米ツアー日本初開催のZOZOチャンピオンシップに勝利した。
若くして彗星のように現れ、長年米ゴルフツアーで大活躍をしたタイガーだが、2009年頃より色々とトラブル続きで、ツアーから消えていた。ツアー最多優勝、メジャー最多優勝の記録更新の夢は潰えたかと思っていた。そのタイガーが完全復活したようだ。
トラブル続きで、ツアーから姿を消した時期は、さぞかし辛い時期であったであろう。そのタイガーを支えていたモチベーションは何であったのであろうか。
位無きを患えず。立つ所以を患う。
また、マスターズのあのグリーンジャケットに袖を通すことを夢見続けていたのだろうか。
己を知る莫きを患えず。知る可きを為さんことを求む。
ZOZOチャンピオンシップでの優勝で米ツアー最多勝にならんだ。次はメジャー最多優勝を狙うのだろうか。もうタイガーも44歳になる。新たな挑戦が始まっているようだ。
（参考文献）
