子貢(しこう) 人を方(くら)ぶ。子曰わく、賜(し)や、賢なるかな。夫(そ)れ我は則ち暇(いとま)あらず、と。(「憲問第十四」29)
(解説)
子貢が人物を比較し論評していた。孔子が言った。「賜、賢いなあ。ま、私にはそんな暇はない」と。(論語 加地伸行)
「子貢」、姓は端木、名は賜、字は子貢。孔門十哲の一人と言われる。孔子より32歳年少。弁舌にすぐれた秀才で、利殖の道にもたけて孔門第一の金持になったという。
「言語には子貢」と評される。おそらくスマートでやや実直さに欠けるところがあったのかもしれないと桑原武夫は言う。しかし、「賜や達なり」(雍也第六」8)といって、孔子は子貢の見通しのよさを評価する。
「賜や命を受けずして貨殖す。億れば則ち屢に中(あ)たる」と、「先進第十一」18で孔子はいい、子貢は考えて発言するが、いつも正確であると評価する。
「関連文書」
(参考文献)