「論語を現代に活かす」 時代を超えて読まれた名著

未来はすべて次なる世代のためにある

【忠信を主とし、己に如かざる者を友とする毋れ。過ちては則ち改むるに憚ること勿れ】 Vol.231

 

 子曰わく。忠信を主とし、己に如(し)かざる者を友とする毋(なか)れ。過ちては則ち改むるに憚(はばか)ること勿(なか)れ。(「子罕第九」25)

 

  (解説)

「まごころを核としてて、自分と異なり、まごころの足りないものを友人とするな。もし自分に過失があれば、まごころに従ってすぐにも改めることだ。論語 加地伸行

 

加地の補足

「己に如かざる者」をの「自分より劣った者」という一般論ではなくて、「自分のようにまごころ第一とすることがわからない者」と解した。

 

 「学而第一」8に同じ文がある。

  その章で、 桑原はこう解説した。

「忠」とはまごころ、「信」は約束を違えぬこと。

「忠信」とはそうしたよい性質をもつ人間を指す。

 まごころがあって嘘をつかない人と馴れ親しんで、自分より劣る者を友人とするな。過ちをおかしたならば、素直に改心して改めるべきである。こだわってはならない。

 

 

 「過ちては則ち改むるに憚ること勿れ」

「過ち一般についての訓戒であって、孔子はいい損なった場合には「前言は之れに戯るる耳」「陽貨第十七」4 といいえた人である。陰湿なこだわりのまったく感じられないのが、孔子の立派さであって、ミスはミスとして素直に改めよという、これはきわめて有益な、効率の高い実践的教訓としている。これも上位者は威厳を守るために、おのれのミスを認めまた改めることを嫌う傾向が強いから、適切な訓戒と言える。」

 

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(参考文献)  

論語 増補版 (講談社学術文庫)

論語 増補版 (講談社学術文庫)

  
論語 (ちくま文庫)

論語 (ちくま文庫)

  • 作者:桑原 武夫
  • 発売日: 1985/12/01
  • メディア: 文庫