「論語を現代に活かす」 時代を超えて読まれた名著

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【過ちて改めず、是を過ちと謂う】Vol.408

 

子曰わく、過ちて改めず、是(これ)を過ちと謂う(「衛霊公第十五」30)

 

(解説)

孔子の教え。「過ちを犯したのに改めない。これが真の過ちである」。論語 加地伸行

 

「人間は過ちを犯すことは避けられない。しかし多くの場合、人はあることが過ちであることに気がつかない、あるいは気がつこうとしない。気がついてもなんとか取り繕うとする」と桑原武夫はいう。

  

 

「公冶長第五」27 では、「已んぬるかな、吾未だ能(よ)く其の過ちを見て、内に自ら訟(せ)むる者を見ざるなり」と、孔子は嘆く。 

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 孔子最愛の弟子「顔回」のことを「学を好めり。怒りを遷(うつ)さず、過ちを弐(ふたた)びせず」という。

 逆説的にとらえれば、「怒り」、そうした感情が「過ち」の源泉になるのだろうか。 

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「過ちては則ち改むるに憚ること勿れ」

「学而第一」8で、孔子が言ったことである。

「過ち一般についての訓戒であって、孔子はいい損なった場合には「前言は之れに戯るる耳」「陽貨第十七」4 といいえた人である。陰湿なこだわりのまったく感じられないのが、孔子の立派さであって、ミスはミスとして素直に改めよという、これはきわめて有益な、効率の高い実践的教訓としている」と 、桑原は解説する。

 

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「過ち」、「失敗」に対する古語や格言は多い。それだけ人が犯しやすいことなのだろう。

 

 

 

過ちて改めず、是を過ちと謂う

自分の威厳やプライドを守るために、人はおのれのミスを認めまた改めることを嫌う傾向が強い。こうした言葉が適切な訓戒になり、活かすことができれば、その後の人生は変わったものになっていくのだろう。

 

  (参考文献)  

論語 増補版 (講談社学術文庫)

論語 増補版 (講談社学術文庫)

  • 作者:加地 伸行
  • 発売日: 2009/09/10
  • メディア: 文庫
 
論語 (ちくま文庫)

論語 (ちくま文庫)

  • 作者:桑原 武夫
  • 発売日: 1985/12/01
  • メディア: 文庫
 

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