子曰わく、之を如何(いかん)せん、之を如何せんと曰わざる者には、吾 之を如何ともする末(な)きのみ。(「衛霊公第十五」16)
(解説)
孔子の教え。「どのようにすればよいでしょうか、どのようにすれば、と問うてこない者に対しては、私とても、どのようにもすることができない」。(論語 加地伸行)
この章は、「述而第七」8にある「憤せずんば啓(ひら)かず、悱(ひ)せざれば発さず。一隅を挙げて、三隅を以て反せずんば、則(すなわ)ち復(ふたた)びせず」と同じ意味といわれる。
のどのかわいていない馬に水を飲ますことの不可能なことは、洋の東西を問わず、知られたことである。問題を持たないものに、問題の解き方を教えることはできない。ソクラテスの産婆説と同じだという。教育論として考えるべき章であると桑原は解説していた。
(参考文献)