「論語を現代に活かす」 時代を超えて読まれた名著

未来はすべて次なる世代のためにある

【仁者は其の言うや訒し】 Vol.284

 

司馬牛(しばぎゅう)仁を問う。子曰わく、仁者は其の言うや訒(かた)し、と。曰わく、其の言うや訒ければ、斯(すなわ)ち之を仁と謂(い)か、と。子曰わく、これを為すや難(かた)し。之を言うに訒(じん)なること無きを得んや、と。(「顔淵第十二」3)

 

  (解説)

司馬牛が「仁」とは何でしょうか、と質問した。孔子はこう教えた。「仁者は、その発言が慎重である」と。すると司馬牛は「発言が慎重ですと、それがすぐさま仁ということですか」と尋ねた。孔子は「仁というのはなかなか難しいぞ。仁の話となれば、発言の慎重さがないといけないぞ」と。論語 加地伸行

 

「司馬牛」、姓は司馬、名は耕、字名が子牛。孔子の弟子の一人。おしゃべりであったという。

 「訒」は「難」、慎重なので、言葉がなかなか出てこないさまと加地は解説する。

 

 剛毅木訥(ごうきぼくとつ)は仁に近し、と孔子はいう(「子路第十三」27)。 

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「木訥」、かざりけがなく、口数が少ないこと。おしゃべりであったという司馬牛への訓戒でもあったのだろうか。 

 

「関連文書」

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(参考文献)  

論語 増補版 (講談社学術文庫)

論語 増補版 (講談社学術文庫)

 
論語 (ちくま文庫)

論語 (ちくま文庫)

  • 作者:桑原 武夫
  • 発売日: 1985/12/01
  • メディア: 文庫