「論語を現代に活かす」 時代を超えて読まれた名著

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「力による平和」がもたらす自壊 — トランプの米国、プーチンのロシア、日本は?

トランプ氏は「力による抑止」を誇り、プーチン氏は「力による現状変更」を試み、習近平氏はその「力の限界」をトランプ氏への牽制の道具に使う。彼らが繰り広げる「力のディール」は、一見すると世界のパワーバランスを動かしているように見えますが、イラン戦争は泥沼化し、トランプ大統領は焦りを滲ませTACOる発言を繰り返しています。プーチン大統領はウクライナの猛烈な反撃に喘ぎ、さらに英FT紙は、習近平主席が『プーチンはいずれ後悔する』と発言したと報じています。

圧倒的な軍事力や経済的威嚇で相手を屈服させようとする「力による平和」が限界をみせ、完全に機能不全を起こしているようです。

「力の論理」がもたらすアフォーダビリティの自壊

国家が軍事という「力」に資源を全振りした結果、そのツケを払わされているのは常に国民です。ロシア国内では戦車が24時間体制で作られ見かけ上のGDPは潤いますが、国民の食卓は困窮し、インフレが加速します。米国でも戦争の長期化によるガソリン高騰が人々の生活を直撃しています。

「力による抑止」「力による現状変更」によって、自国民の生活のアフォーダビリティ(維持可能性)が犠牲となって、内側から自壊していく。「力の論理」の皮肉です。

異論を奪い「戦争する国」へ突き進む日本

この国際社会の破綻した論理を、まるで周回遅れで後追いするかのように狂奔しているのが、今の日本です。自民党大会で宣言された「1年以内での改憲発議」。衆院選での「圧倒的多数」という数の力を背景に、熟議よりも期限を優先するその姿勢は、権力を縛るはずの憲法を権力の都合で書き換え、この国を「戦争する国」へと変貌させようとしています。

消費税減税など眼中になし 「戦争する国」が高市首相の悲願|日刊ゲンダイDIGITAL

イラン交渉の決裂やロシアの誤算を見れば明らかなように、世界が「力の限界」に突き当たっている今、「数こそ力」を頼りに異論や懸念という国民の「逃げ場」すら奪って強行される改憲は、長期的には国家の分断と信頼の喪失を招くことになるのではないでしょうか。

文学が遺した「個の痛み」

この状況に対し、小説家の平野啓一郎氏は強い危機感を表明しています。

【提論2026】日本の安全保障 平野啓一郎さん|【西日本新聞me】

「日本を取り巻く安全保障環境は厳しさを増している」とは、一体、いつと比べてそうなのか? 例えば、10年前と言うなら、2015年の安保法制成立の際、当時の安倍晋三首相が強調した「日米同盟が強固になることで、中国、北朝鮮への抑止力が高まる」という説明はインチキだったことになる。現代の国際社会では「一国だけで自分の国を守ることはできない」という主張の前提も問いたい。(出所:西日本新聞)

国家の都合や大義、あるいは「数の論理」によって、個人の尊厳や日常の営みがすり潰されていくことへの警鐘です。

これは、城山三郎氏の『大義の末』や井伏鱒二氏の『黒い雨』が描いた、国家の暴走に振り回された個人の生々しい痛みと地続きではないでしょうか。私たちは、かつてこの国が「力の論理」の果てに何を迎えたのか、文学の記憶を通じて今一度思い出す必要があります。

まとめ

子、釣して網(こう)せず、弋(よく)して宿を射ず。(「子罕第九」26)

孔子は一本釣りはしても、網で根こそぎ奪うことはしなかった。ねぐらで眠る鳥を射るような卑怯なことはしなかった。

過剰な殺生を慎み、相手に逃げ場を残すという「調和の知恵」が、今の世界には決定的に欠けているのではないでしょうか。

国家の都合に振り回される個人の痛みが、「力の論理」を押し通す国々で、そして、日本でも形を変えて繰り返されようとしています——。

 

「参考文書」

トランプ氏「明日はイラン攻撃しない」 脅し通じず、にじむ焦り - 日本経済新聞

証拠なき台湾論議、習氏の感想とトランプ節が呼応する小安定の危うさ - 日本経済新聞

習近平氏「プーチン氏はウクライナ侵略をいずれ後悔」 FT報道 - 日本経済新聞

 


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