「論語を現代に活かす」 時代を超えて読まれた名著

未来はすべて次なる世代のためにある

止まる名古屋、深刻な人手不足:『世界4位の移民大国』日本がひた隠すダブルスタンダード

 名鉄社長の涙と、名古屋駅再開発の断念。これは単なる地方ニュースではなく、私たちが目を逸らしてきた「日本の限界」が、目に見える形で露呈した瞬間です。

[新連載・現場の復讐]名鉄社長の涙、名古屋駅の再開発が頓挫 異次元の人手不足:日経ビジネス電子版

名古屋駅前の再開発計画が、施工業者の入札辞退により「未定」となりました。理由は明確、**「人手不足」**です。

  • 事実: 2,000億円から5,000億円超へと膨れ上がった建設費以上に、ゼネコン側が「人を集められないから、工期を守る責任が取れない」と白旗を上げました。

  • 依存の実態: 建設業界における外国人依存度はすでに高く、彼らなしでは巨大プロジェクトを動かすことができない。これが、現実です。

政治のダブルスタンダード

一方で、衆院選2026の演説では、実態とかけ離れた言葉が飛び交っています。

外国人受け入れ規制、迫る維・参 自民言及せず、中道慎重―高市政権を問う「外国人政策」【2026衆院選】:時事ドットコム

  • 高市政権の不整合:「不法滞在の厳罰化」「永住許可取消の厳格化」など、高市政権が保守層向けに「規制」を強調するのは、それがアテンション(注目や支持)を最も稼げるからです。中身が空っぽ(実がない)と分かっていても、強い言葉を投げ合わなければならない現代の政治構造そのものが、名鉄社長を泣かせた『不作為』の原因です。一方で、経済界へは配慮から「受け入れ規制」には踏み込まない「ダブルスタンダード」を貫いています。なぜなら、それをすれば名鉄のように各地の経済プロジェクトが次々と「頓挫(死)」することを知っているからです。

  • 移民大国という事実: 統計上は世界4位の移民受け入れ国でありながら、それを認めず「労働力」としてのみ搾取し、共に暮らす「市民(住民)」としての制度設計を避けてきました。

    • 政治の言葉: 「移民政策は取らない」。政治は『特定技能』や『実習生』という呼び名(名)を使って、『移民ではない』と言い張ります。しかし、OECDは1年以上在住する外国人を移民と定義しています。これに従えば、日本はすでに世界有数の移民受け入れ国なのです。

    • 現場の事実: 彼らが街を造り、食を支える生活者(実)になっています。この言葉のすり替えが、適切な権利保障や制度設計を遅らせています。

 政治のダブルスタンダードが、現場(名鉄のような事業主体)を追い詰めていきます。これが日本の都市機能を物理的に維持することを困難にさせる実態ではないでしょうか。

論語が解き明かす、政治家の「不徳」

 自民党はこれまで、建前では慎重さを装いながら、実態としては世界4位の移民受け入れ国へと舵を切ってきました。この『名実の不一致』が、現場に歪みを生んできたのです。

 論語は、リーダーが『荘(誠実さ)』を欠けば、民はついてこない、仕事に精を出さなくなると説きました。

季康子(きこうし)問う、民をして敬忠にして勧めしむるには如何せん。 子曰く、これに臨むに荘を以てすれば則ち敬あり、孝慈ならば則ち忠あり、善を挙げて不能を教うれば則ち勧めん。(「為政第二」20)

 季康子が「どうすれば民(働く者)が敬意を持ち、誠実に仕事に精を出すようになるか」と問うたのに対し、孔子は3つの本質を答えました。

  1. 「これに臨むに荘(そう)を以てすれば則ち敬あり」(リーダーが誠実に、厳かな態度で事に向き合えば、敬意が生まれる)

  2. 「孝慈(こうじ)ならば則ち忠あり」(目下の人々を慈しみ、誠意を尽くせば、誠実さが返ってくる)

  3. 「善を挙げて不能を教うれば則ち勧めん」(適材適所を貫き、導けば、皆が進んで働くようになる)

 いま、日本の政治に欠けているのは、まさにこの**「荘(厳かに、誠実に向き合う態度)」ではないでしょうか。 票のために「規制」を匂わせつつ、現実には「依存」し、その不都合な真実に蓋をする。この「ダブルスタンダード」**こそが、社会の信頼を壊しているのです。

高市政権は外国人受け入れを進めつつ、その政策の前提が「外国人は危険」なのが残念|ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト

「便利な人手」としてのみ人を求め、その尊厳(慈しみ)を軽視する国に、誰が敬意を持ち、誰が進んで働きに来るでしょうか。名古屋の再開発が止まったのは、単に人がいないからではなく、「この国のために働きたい」という意志を、リーダーたちの不誠実な態度で奪い取った結果ではないでしょうか。

むすび

 名古屋駅前の再開発が消えた光景は、未来の日本のあちこちで見られる風景になるかもしれません。

 私たちは「受け入れ拡大か、規制か」という二元論の前に、まず政治家にこう問うべきです。 「あなたは、この国の現実に『誠実(荘)』に向き合っていますか? それとも、票のために『名』を弄んでいるだけですか?」

「言葉を聞いて、その行いを観る」。 この選挙、私たちはリーダーたちの「言葉の響き」ではなく、その態度がいかに社会の「実」を壊しているのかを、見極める必要があるのかもしれません。

 

「参考文書」

ひろゆき氏が指摘「高市首相は、低収入移民推進派じゃん。おいら、間違えてる?」 - 政治 : 日刊スポーツ

人が人を蹴落とす社会に疲れました… 「使い捨てられた」氷河期世代の怒りの行き先 今回は投票先を変える:東京新聞デジタル

【衆議院選挙】「安全運転」の高市氏 安保・スパイ防止法…「国論二分」の政策踏み込まず - 日本経済新聞