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「現金のみ」スーパーが暴く、ポイント経済圏の"ムダ"と低生産性の病 【ポイント経済圏疲れとZ世代①】

  インフレの波が私たちの生活を直撃し、家計が悲鳴を上げている現在。「1円でも安く」を追求するため、あえてキャッシュレス決済を導入しない「現金のみ」スーパーが登場したというニュースを目にしました。

仙台のスーパー生鮮館むらぬし、あえて現金のみ キャッシュレスより「1円でも安く」 - 日本経済新聞

 世の中のデジタル化が加速する中で、この「逆行」とも見える動きは、何を問いかけているのでしょうか。私は、このニュースこそが、現在の日本経済に蔓延する**「低生産性」と「非効率な競争」**という構造的な病巣を、皮肉にもあぶり出していると考えます。

 

ポイント還元競争は本当に「お得」なのか?

 私たちは今、通信、金融、流通が複雑に絡み合うポイント経済圏の熾烈な争奪戦の真っ只中にいます。楽天ポイント、Vポイント、dポイント.....まだまだほかにありますね。各社が巨大な販促費を投じ、高還元率を競い合うこの戦いは、経済学者のフィリップ・コトラーが言うところの**「レッド・オーシャン戦略」**そのものです。

 しかし、立ち止まって考えるべきです。この華やかな還元競争の裏で、どれだけのムダが生まれているのでしょうか。

  1. 還元コストはどこへ消えている? 企業が顧客に還元するポイント原資や、決済事業者に支払われる高額な決済手数料(1~3%)は、どこから生まれているのでしょうか? 答えは明白です。それは、最終的に商品やサービスの価格に転嫁され、私たちの消費生活のコストとなっています。
  2. 「お得」は「ムダ」の対価ではないか? 企業は、ポイントシステム維持費、複雑なアプリ開発費、過剰な広告宣伝費という**「非生産的なムダなコスト」を発生させています。コトラーの最新の視点から見れば、これは企業が「利益を伴う顧客価値の最大化」というマーケティングの基本原則を見失い、ムダなリソースを消耗している状態です。このムダな競争こそが、日本社会全体の生産性向上を阻害**している最大の要因ではないでしょうか

Z世代・α世代が求める「本質的な価値」とは?

 この「ムダな競争」を最も鋭く見抜いているのが、Z世代やα世代といった新しい世代です。

年会費5万円ラグジュアリーカードを選ぶ20代 ポイント経済圏に疲れ YOUTH FINANCE⑫ - 日本経済新聞

 彼らが消費において最も重視するのは、タイパ(タイムパフォーマンス)と透明性です。

  • 複雑なアプリの切り替え、最適な還元ルートの計算、ポイントの有効期限管理などは、彼らにとって時間のムダ(タイパの悪化)でしかありません。
  • 「現金のみ」スーパーは、決済手数料やポイントコストを排除し、その分を**「商品の安さ」という本質的な価値に振り分けています。この「手数料削減 → 価格還元」というシンプルな構造は、企業の安さへの本気度と透明性**をダイレクトに示し、煩雑な競争に疲れた人々の共感を呼んでいます。

 熾烈な経済圏争いは、この新しい世代の価値観から見れば、**「ムダで煩雑な競争」**に過ぎません。

 

 

競争の軸を「還元率」から「効率」へ

「現金のみ」スーパーの出現は、私たちに**「本当に顧客のためになるのは、複雑な還元か、それともシンプルな安さか」**という、生産性向上のための問いを突きつけています。

このインフレ時代を生き抜くためには、企業がポイント負債とムダな販促費という重荷を下ろし、競争の軸を**「効率化」と「本質的な価値提供」**にシフトさせなければなりません。

論語でまとめ

子 四(し)を絶つ。意なる毋(なか)れ、必(ひつ)なる毋れ、固なる毋れ、我(が)なる毋れ、と。(「子罕第九」4)  

 孔子は次の四者を絶った。己の意ばかりになるな、決めたことにこだわるな、執着するな、利己的になるな。

 この言葉は、自分の利益や都合に固執せず、常に柔軟な態度で物事を考え、行動するべきであると説いています。相手の立場や全体の利益を尊重し、独善的にならないことが、君子たるものの重要な資質であると示唆しています。 

「ポイント経済圏疲れとZ世代」とのタイトルで、この件について数回にわたって連載します。次回以降の記事では、この**「ムダな競争」**が日本経済全体に与える深刻な悪影響を、海外の動向と比較しながら深掘りしていきます。

 

「参考文書」

キャッシュレスはつらいよ 人気ラーメン店「店にとって良いことが一つもない」:日経ビジネス電子版

 

 


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(今日の中国の歌。チャゲ&飛鳥の「男と女」の中国語バージョン。どこで聞いたのか記憶はありませんが、何度も耳にしました。シンガポール駐在時の上長がよく歌っていました。もちろん日本語バージョンです。話は変わりますが、国会での論戦が本格的に始まっています。しかし、政治はいつまで経っても前近代的なものと感じます。高市首相となって変わることへの期待もあったのですけれども。ちょっと残念です。また円安が進んでいます。これでは経済政策が無意味になりそうで....)