ドジャースがワールドシリーズ連覇しました。大谷翔平選手、山本由伸投手、佐々木朗希投手、日本人3選手の活躍は素晴らしいものでした。MVPの山本投手もすごかったですが、大谷さんの異次元の活躍は驚愕でした。
[ドジャース 連覇の軌跡](中) 「二刀流」大車輪の活躍 | 沖縄タイムス+プラス
ワールドシリーズ第3戦(延長18回)。2本塁打を含む4打数4安打3打点と活躍し、おまけに「1試合9出塁」の記録を達成しました。その翌日には、投手大谷が先発、チームのために身を粉にしてマウンドに立つ姿は感動を呼びました。ナ・リーグ優勝決定シリーズでもそうでした。第4戦では、打っては3本塁打、投げては7回途中、10奪三振・無失点とまさに異次元の活躍でした。
「異次元進化」、今年の大谷さんの活躍はそう呼ぶべきなのでしょう。そこには「深い教養」と「最新テクノロジー」という、一見相反する要素の統合があったようです。
大谷翔平 “異次元進化” 二刀流復活の舞台裏に迫る|NHKスペシャル - NHKスペシャル リリース情報 - NHKスペシャル - NHK
彼の成功は、「知の追求」、すなわち「リベラルアーツ(自由七科)の実践」といってもいいのではないでしょうか。リベラルアーツの目的は、「自由人」として社会で活躍するために必要な「知的な教養」を身につけることで、その核は物事の「本質」を理解し、「なぜそうあるべきか」を問う哲学的な思考力です。大谷さんは、この伝統的な教養を最新のデジタル技術の活用に応用し、進化の礎になるトレーニングに取り入れたと見えます。
大谷さんを支える「知的な勉強」
大谷さんは、特定のジャンルに偏らず、知識を広げ、深い思考を養う本を読まれていたといいます。『運命を拓く 天風瞑想録』(中村天風)、『論語と算盤』(渋沢栄一)、『生き方』(稲盛和夫)、『チーズはどこへ消えた?』、『クオリティピッチング』(黒田博樹)など、他の野球選手の経験や、栄養学、トレーニング理論といった専門分野の本にも目を通し、自身の知識をアップデートし続けています。
大谷さんの読書は、単なる趣味ではなく、自身の成長に直結させるための「トレーニング」と捉えられていたようです。『五輪書』(宮本武蔵の兵法書)などを何度も読み返し、「1回読んだだけで100のうち50以上理解できる人は少ない」、知識を自分の思考に落とし込む「深読み」を実践していたといいます。また、移動時間やお風呂など、時間を見つけて読書をする習慣があり、読んだ知識を日々の練習や思考、行動にすぐに活かすことを重視したそうです。こうして身につけた「教養」は、自己の精神的な軸を確立し、科学的な知見を取り入れ、常に学び続ける姿勢を形作る上で不可欠な要素となっていると言えるのではないでしょうか。
(↑この本から、困難に直面した際の精神的な乗り越え方や、常に前向きな姿勢(ポジティブ思考)を養うための影響を受けたそうです。)
「ニュートラル思考」による客観的な分析
大谷さんの「勉強」は、「深い人間哲学」と「最新の科学データ」という二つの柱で支えられているようです。大谷さんは自身の思考法を「ニュートラル思考」と表現しています。これは、感情や先入観を排除し、現状をデータのように客観的に受け止めて分析する思考法といいます。知的な教養を通じて精神的な軸を確立し、その強い心でデジタルを活用し、データ分析することで、「個人のDX」を完成させ、前人未到の異次元の活躍を実現していると言えそうです。
データを駆使した大谷選手の練習と進化~「個人のDX」を支えるたセンス
ワシントン州シアトル郊外の有名トレーニング施設の科学的な手法を取り入れています。練習中に得られた膨大なデータが、大谷選手の即座の改善に役立っています。「トラックマン」や「ホークアイ」といった機器で、打球速度、打球角度、バットスピード、投球の回転数(スピンレート)、変化量などを瞬時に計測します。例えば、打球角度のデータを参考に、ホームランになりやすい理想的な角度を常に意識したスイングの調整を行います。実際、2025年シーズンは本塁打数を自己最多の55本に更新し、長打率(.672)でもリーグトップを記録しています。
データに基づいた「アジャスト能力」
試合中や練習中にも、大谷さんはデータ計測器から得られる情報(バックスピン量、打球角度など)を瞬時に分析し、次の打席や投球に活かす能力に長けています。例えば、打席で自分の打球が伸びなかった要因について、「どちらかというと(バック)スピンがかかり過ぎている。(スイング)軌道が少しずれているのかなと思います」と、自身でデータに基づく分析コメントを残しています。これは、与えられたデータを受け取るだけでなく、その意味を深く理解し、自身の感覚と結びつけて即座に修正できるという、データ活用の高度なセンス(勉強の成果)があることを示しています。
また、身体にマーカーを付けて動作解析を行うモーションキャプチャなど、野球界の最先端技術を積極的に利用し、故障を防ぎながら能力を高めるためのトレーニングを継続しています。
これらのエピソードから、大谷さんは単にフィジカル能力が高いだけでなく、常に学び、考え、最先端の知見やデータを取り入れて自己をアップデートしていく「知的なアスリート」であることが分かります。肉体という「アナログな資産」を、デジタルなデータと最新テクノロジーで最大化しています。これは、まさしく企業がビジネスモデルを変革する「DX」を、個人レベルで実現していると言えるのではないでしょうか。
論語でまとめ
君子の道なる者三、我れ能くする無し。仁者は憂えず、知者は惑わず、勇者は懼れず。(「憲問第十四」28
君子に至るには三条件があるが、私はまだどれも十分に実行できていない。その三つとは、「仁者は、あれこれと心配しない」「知者は、判断に迷わない」「勇者は、困難に直面しても恐れない」といいました。
大谷さんが体現した成功は、特別な者だけの物語ではないのかもしれません。それは、「深い教養」と「テクノロジーの合理性」を融合させる、現代のリベラルアーツの実践です。大谷さんの姿勢に学び、そのポイントを取り入れれば、人生は変えられるということなのかもしれません。
孔子の言葉ではないですが、君子のような、「仁」深い教養に根差した人間性、「知」データ、科学に裏付けられた知性、「勇」積極的に挑戦し、継続する力。それが大谷さんなのかもしれません。
(今日の中国の歌ではなく、Kenny Gの「You Raise Me Up 」。映画「てっぺんの向こうにあなたがいる」では、Celtic Womanの「You Raise Me Up 」が使われています。その曲がCMで流れているの聞いて、Kenny Gバージョンを思い出しました。いい曲ですよね)
「参考文書」
大谷翔平の強さ爆発させた「S&C」、スタンフォード大日本人コーチが見たある差異 | Forbes JAPAN 公式サイト(フォーブス ジャパン)



