「論語を現代に活かす」 時代を超えて読まれた名著

未来はすべて次なる世代のためにある

Amazon倉庫が教える、AI時代に「消えない仕事」の絶対条件~AIとロボットが奪う仕事、そして私たちに残るもの

「AI」人工知能の進化が続きます。米オープンAIがブラウザ(ウェブ閲覧ソフト)「ChatGPT Atlas(アトラス)」の提供を始めたといいます。

OpenAI、ブラウザー「ChatGPT Atlas」開始 AI一体化でタイパ向上 - 日本経済新聞

 サイトを見ながら生成AI ChatGPTを呼び出し、要約や論点整理で情報収集の効率を高めることができるそうです。タイパが向上し、ネットの使い方を大きく変える可能性があるといいます。

 

 

 ロボティクスも同様に進化を続けているようです。米アマゾンは、ロボットやAIの導入など自動化の推進で、2033年までに本来人間が担うはずの60万人分の職務が代替されるようになるとしています。

アマゾン、60万人分の仕事を2033年までに自動化──代替リスクがある「5つの職務」 | Forbes JAPAN 公式サイト(フォーブス ジャパン)

 これは単純な人手不足の解消ではなく、「仕事の定義」そのものが変わることを意味します。AIとロボットが最も得意とする効率化で「定型的な仕事」が消えていくとき、私たち人間は何をして稼げばいいのでしょうか?

 人類は「AI」という、これまでの道具とは異なり、自ら意思決定し、新しい考えを生み出すことができる「異質な知性」エイリアン・インテリジェンスと向き合っていると、「Nexus」の著者ユヴァル・ノア・ハラリは主張します。

 

 

Amazon倉庫に見る「定型業務の消滅」

 倉庫における従来型のピッキング、梱包、運搬といった反復的な肉体労働は、Amazonのロボティクス(例:自動移動棚、新型ロボット)により、最も代替リスクが高い領域となります。これは、従来のブルーカラーの仕事の変質を意味します。 

 同様に、AIは在庫管理、データ分析、定型的な報告書作成など、反復的な認知労働を担い、従来のデスクワーク(ホワイトカラー)の多くを不要にします。

 


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機械が苦手とする「非定型」な世界

 一方、ロボットはプログラムされた問題を解きますが、「そのプログラムは正しいか?」、「そもそも何が問題なのか?」という問いは立てられません。倉庫現場で予期せぬエラーが起きたとき、ロボットシステム全体の診断・修復、そしてシステムの改善案を考えるのは人間の批判的思考です。

 AIもまた同様です。過去のデータを分析して最適解を出しますが、「新しい未来の価値」は創造できません。

サバイバルの鍵は「アドバンスト・エッセンシャルワーカー」

「ホワイトカラー消滅」の著者冨山和彦氏は、消えゆくホワイトカラーに対し、需要が確定しているエッセンシャルワーカー(介護、インフラなど)へのジョブシフトとリスキリングを推奨しています。 AIが進化する時代に必要なのは、単なる肉体労働者ではなく、現場のスキルにAIを使いこなす知的能力を融合させた「アドバンスト・エッセンシャルワーカー」といいます。

 この新しい働き手には、現場での臨機応変な問題解決「批判的思考」と、多様なステークホルダー(顧客、同僚、ロボット)と協働するコミュニケーション能力「リベラルアーツに基づく共感力」が不可欠となるといいます。

海図なきAI時代の羅針盤 リベラルアーツがリーダーを鍛える:日経ビジネス電子版

 こんな時代がやってきたとき、競合が真似できない新しいサプライチェーン戦略や、顧客の行動原理に基づいた革新的なサービスを生み出す土台は、幅広い教養「リベラルアーツ」から生まれる洞察力と創造性だというのです。

AI時代に「自由」に生きるための学問

リベラルアーツ」は、単なる知識の詰め込みではなく、「自らの固定概念から自由になる」ための学問です。特定の専門分野に特化せず、人文科学、社会科学、自然科学といった幅広い分野を横断的に学ぶことを指します。

「人文科学」文学、歴史、哲学など。「社会科学」経済学、社会学政治学など。「自然科学」物理学、生物学、化学など。この他にも、芸術、語学、情報科学など、多様な分野が組み合わされます。

 異なる分野の知識を関連付けて全体像を捉えることで、複雑なビジネス環境や社会課題への理解が深まります。既存の枠にとらわれない柔軟な発想力が養われ、新たな価値を生み出す力につながります。「専門知識」が陳腐化しやすい現代において、常に新しいことに挑戦し、学び続ける姿勢を培う土台となるといいます。 


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 ロボットとAIの進化で、定型的な作業をロボットやAIが担う未来が近づいていきます。そんな時代を生きなければならない私たちは、「批判的思考」という武器を持ち、「リベラルアーツ」という羅針盤を使って、人間のみが創出できる価値を見出すべきなのかもしれません。

論語でまとめ

異端(いたん)を攻(おさ)むるは、斯(こ)れ害(がい)あるのみ。 (「為政第二」16)

「異端の学問を学ぶことは、ただ害があるだけだ」と孔子は言いました。 

 正しい学びの道から外れることへの戒めを孔子は示しています。「中途半端な姿勢で様々なことに手を出すこと」や、「無益な対立を生むこと」を戒めます。

 福沢諭吉は『学問のすゝめ』で、明治初期の人々に向けて、学問の重要性を説き、独立した近代国民となることを促しました。諭吉は論語や歴史などを実生活に役立たないとして否定し、世の中の役に立つ「実学」、すなわち科学、経済、法律などを学び、自分の力で生計を立て、自立するべきだと訴え、個人の自立は、国全体の独立につながるという考えを示しました。これは、無知なままでは政府に都合よく扱われるだけであり、国民一人ひとりが学問を通じて自らの権利や義務を理解し、主体的に国に関わることが必要としたのです。また、世の中の物事は、進まなければ必ず退歩するとし、立ち止まっていることはありえないと説き、常に学び続け、進歩していくことの重要性を強調しました。

 この諭吉のエッセンスを取り入れ、 ロボットとAIが進化を続ける時代にふさわしい「学問のすゝめ」を実践するときなのかもしれません。

 高市首相が所信表明演説で、「世界で最もAIを開発・活用しやすい国」を目指すと述べ、医療DX「電子カルテを含む医療機関の電子化、データヘルスなどを通じた効率的で質の高い医療の実現などについて、迅速に検討を進めます」と語っていました。

未来へ

 この国策ははたして成功するのでしょうか。色々とありますが、やはりやるべきことはやったほうがよさそうです。もうこれ以上世界から遅れる訳にはいかないのですから。このとき、AIやデジタル技術は道具として使うだけではなく、この記事で指摘したように、新しい価値を創出できるようにしなければならないはずです。そして、それが実践できる人材にかかっているといってもよさそうです。

 これからのAI時代に必須となるのは、技術の専門知識に留まらず、「自由に生き、技術を支配する」ための土台である「批判的思考」と「リベラルアーツ」を身に着けるということなのかもしれません。

 

「参考文書」

AI席巻のアメリカ、ブルーカラーを選ぶ若者たち 電気料金2倍が現実に - 日本経済新聞

AIが問う「人間の価値」 経営者やリーダーにリベラルアーツが必要な理由:日経ビジネス電子版

OpenAIの新ウェブブラウザー「Atlas」、知っておくべき「5つのポイント」 | Forbes JAPAN 公式サイト(フォーブス ジャパン)

 


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(今日の中国の歌:台湾の人気歌手 劉若英の「後來」。KIROROの「未来へ」のカバーです。「未来へ」の歌い出しの「ほら」と発音が似ていることがこのタイトルの由来とか。母から子への愛情、未来へのメッセージが込められている点は同じといわれています。記憶が曖昧ですが、この歌を知ったきっかけは、シンガポール人とKIROROを話題にしていたときに、中国語でも歌われているよと聞いたことだったかな。)