「論語を現代に活かす」 時代を超えて読まれた名著

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日本のGDP世界5位へ:加速する下落トレンド、止まらない日本の凋落

 IMF国際通貨基金の最新推計によると、日本の名目GDP国内総生産)が2026年にインドに抜かれ、世界4位から5位に後退する見通しとなったそうです。近年の大幅な円安でドル建てでGDPが目減りしているといいます。

日本のGDP、インドに抜かれ世界5位へ IMF2026年見通し - 日本経済新聞

 中国に追い抜かれ2位から3位、ドイツに抜かれて3位から4位、今度はインドにも抜かれるそうです。30年には日本のGDPが5兆1198億ドルに高まるものの、英国の5兆1997億ドルに抜かれ、世界6位になる見通しといいます。下落トレンドが止まらなくなっています。しかし、もう驚くほどの話でもないのでしょう。結局、経済を担う企業も政治も無策のままでいるのですから。

 

 

 もういい古されていますが、要因は、円安、低成長などです。IMFの予測では、2026年以降の日本の実質GDP成長率は年0.5%~0.6%程度と低迷が続くのに対して、インドもイギリスもそれよりは大きな成長率で推移することが見込まれています。仮に円高に振れても、日本のGDP下落は時間問題といわれています。

 日本の低成長は、少子高齢化による労働力人口の減少、内需の縮小、そして生産性向上の遅れといった問題が理由とされています。いつまでたっても何も変わらないのですから、もう開いた口がふさがりません。

 なお、英国は金融サービス業やハイテク分野など、高付加価値分野での国際競争力が比較的高いと評価されているそうです。

クソどうでもいい仕事と生産性の低下

「意味のない仕事」(クソどうでもいい仕事)が増加し、これが企業の生産性を低下させ、労働者のモチベーションを奪っているといわれます。正解のない時代といわれているのに、従来のままに「問題解決」しようとして行き詰っているともいわれます。そうではなくて、未来を構想し、問題を発見・特定し、課題設定して、新たな価値を生み出すような仕事をすべきといわれます。それによってイノベーションが萌芽し、経済成長のエンジンが点灯するともいいます。

 

 

論語でまとめ

群居して終日、言、義に及ばず、好んで小慧を行う。難いかな。(「衛霊公第十五」17)

 孔子の言葉を借りて現代を要約すると、多くの会議や議論が、「誰のために」「何のために」という「義」の問いをせずに、前例踏襲や社内政治、形式的な手続きや部門間の利害調整に時間を費やします。「義(本質的な意味)」は本来、企業理念や顧客価値、社会貢献とことにあるはずなのに。

 誰も本気で読まない資料、監査のためだけの形式的な報告書など、「義」のない「クソどうでもいい仕事」が労働時間を圧迫し、企業の生産性(付加価値)を著しく低下させます。外部環境が激変しているにもかかわらず、企業は既存のビジネスモデル内で、コスト削減やわずかな効率化といった「小慧」に精を出し、それを「努力」と見なします。「小慧」で満足する企業は、全体最適となる「義」、未来を構想する大きな変革を恐れます。結果として、DXやGXのような構造的な課題解決に踏み出せず、グローバル競争に遅れをとります。

 ここから見えてくるのは、日本の組織の硬直性。そして、同調圧力による思考停止。「群居」することで同調圧力が生まれ、誰かが「この仕事は無意味ではないか(義)」と問うことを許さず、タテ割り、セクショナリズムが蔓延し、企業全体の意思決定が遅くれます。

「群居して終日、言、義に及ばず、好んで小慧を行う。難いかな」。

 今日の政治の混乱もまた同じかもしれません。「義」を問わずに、党幹部が集まっては雑談のよう議論し、権力抗争に終始する。「難いかな」、これではいつまでも本質的な議論とはならずに、苦しいGDPの実情、日本経済の問題はいつまでも解決されることはない、ということでしょうか。